カムリもアテンザも頑張った2010年代・・・
2012年に発売された3代目アテンザ(MAZDA6に改名)と、2011年の先代モデルから日本ではHV専用サルーンになり、2017年のフルモデルチェンジで現行へ移行したトヨタ・カムリ。どちらもブランドヒエラルキーの上層に位置していて、居住性・コンフォートさ、セダンとしての普遍的価値を示せるデザインを追求している。他のボデータイプのユーザーが試乗すれば「やっぱりセダンいいなあ」って人が大多数なはず。
ヒエラルキー
どちらのメーカーの担当者も実に素晴らしい仕事をしているし、ドイツの高級サルーンと比べてもハッキリと負けている部分を探すのは難しいくらいの完成度を誇る。トヨタのヒエラルキー上位モデル(主に北米と同期・併売のモデル)と、マツダの全ラインナップのコンフォート性能は、国内市場を見渡しても非常に高い水準にあるのだけど、その中でもカムリとアテンザ(MAZDA6)はさらに頭一つ抜けている。「トヨタだから嫌、マツダだから嫌」バブルの腐った価値観に被れてない限りは、気に入ってもらえるのでは!?世間一般の感覚でもこの両車には「余裕」と「知性」が漂っているとしっかり評価してもらえるはず。
それでも売れにくい
あいにくの「セダン冬の時代」なので、それほどバカ売れとまではいかない。乗り出しで400万円くらいかかる日本車はそんなには売れない。同じ金額で新品同様の欧州の高級サルーンが(しかもEセグメントが!!)選び放題なのだから。カムリやアテンザ(MAZDA6)が良いクルマなのはわかっているけど、ついついジャガー、アウディ、ビーエム、ベンツ、マセラティなどが欲しくなってしまう気持ちも・・・まあわかりますけど。
健闘したけど、何かが足りない
「セダン冬の時代」を抜けるべくトヨタは上級サルーン用に仕立てたTHSをカムリに与えたし、マツダもフォード傘下で作りあげた欧州最強レベルのディーゼルユニットを3代目アテンザに使った。サルーンに必須な余裕ある動力性能を確保しつつ、従来使われていた排気量の大きいガソリン自然吸気エンジンの致命的な弱点になっていた燃費性能・環境性能を改善して、新しい「グランドセダン」を印象付けることに果敢に挑んだが、セダンへの回帰をトレンドとして生み出すところまでは難しかった。それでも先代、現行のカムリと現行のアテンザ(MAZDA6)は予想よりもはるかに市場のリアクションは良かったのは間違いない。
セダン&スポーツカー復活はメーカーの懺悔
トヨタもマツダも承知の上だと思うが、「セダン冬の時代」とは日本市場において「不可解なレベル」でセダンの販売が不振というわけではない。トヨタとホンダが派手に燃費競争を繰り広げた結果、30km/Lオーバーという前代未聞の「モード燃費」は実効ある数字ではないのだけど、クルマの質的変化を求める世の中からの関心は当然に上がる。同じ頃のDセグ、Eセグサルーンは7〜10km/Lくらいなわけで、メーカー自らが自社の技術的アドバンテージをアピールするために、セダンやスポーツカーを徹底的に犠牲にした。つまりメーカー自身がすでに売るのがほぼ「不可能」なクルマだと認識していたはず。そして決して市場の気まぐれではなく、メーカー自らがセダンやスポーツカーが売れない状況を否応なしに作った。
MAZDAの挫折
アメリカでは依然として大きなセダン市場があるので、カムリもアコードも次期モデルの開発は進んでいく。フォードの傘下を離れたマツダにとっても2010年代の最大の目標は自らの力で北米市場での躍進を遂げることだったけども、果敢なチャレンジの結果得た結論が「北米サルーンは6気筒」であり、FRシャシーでの出直しを決めた(リサーチ不足?)。カムリに関しても北米向けの6気筒を日本でも売ってくれ!!という声があるし、MAZDA6の次期モデルへ一番大きな期待をしているのは日本市場だ・・・。
やり直し
カムリやMAZDA6に注がれたメーカーの創意工夫には敬意を示したいけど、現行のカムリやMAZDA6に市場は満足していない。セダン好きならばいくらでも揚げ足を取るポイントはある(つまり買わない理由は山ほどある)。アメリカ向けに作ったサルーンってのがそもそも気に入らないし、セダン市場の崩壊で300万円払えばSクラスや7シリーズだって状態が良いものに乗れてしまう状況もあって、トヨタやマツダのセダンにおける努力は評価されにくくなっているようだ。相対的な評価の中で結果を出すのは難しい・・・。
やっぱりあのメーカーの復活が必要だ・・・
なかなか上手くいかないトヨタとマツダのセダン戦略が、両者のアライアンスで「共闘」関係になるとかいう噂がある。マツダファンにとっては悪夢以外の何物でもないが・・・。とりあえず中古車ならば300万円、400万円くらいで買えてしまう欧州のサルーンに全く負けないだけの価値を、より多くの人に伝わるものにしていかなければいけない。初代セルシオや初代アテンザのように世界を変えるインパクトを放ってきたトヨタとマツダにはちょうどいい目標だと思う。しかし欧州メーカーもいつまでもボンクラなままではない。いい感じの次世代サルーンが発表されたようだ・・・。巡行600kmだとぉ!!!
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