ジェットコースターを止めて
企業経営や金融政策に絶対的な優劣なんてものはない。もしあるならば「攻略本」がとっくに発売されているはずだ。2011年の東京電力、日立、そして新型コロナでトヨタ、日産、JR東海、ANAなどの日本を代表する安定企業の経営基盤が脅かされた。景気やそれに伴う金融政策に即した「柔軟な経営」とか簡単に言う人いるけど、経営者になったことがある人に言わせればそんなのは無理だ。机上の空論に近い経営手法をただただ追求していくと、当事者の感覚ではほぼ「ギャンブル」を続けている状態に近い。そしてしばしば倫理との衝突で心がグチャグチャにされ、ちょっと乱暴だけど「オレオレ詐欺」に限りなく近いものになる。
優劣ではない
頑張っている人を叩くのはちょっと気がひけるのだけど、アベノミクスや日銀への批判を大衆にアピールする「商売」を手がける中野剛志、三橋貴明、藤井聡、上念司といった人々を見ていると少々不憫に感じる。彼らのような「在野」の人々は、とにかく視聴者・読者の信頼を獲得するために目一杯に「政策担当者よりも俺の方がわかってますよ!!」とアピールすることが必要なのだろうけど、結局は経験が乏しい大学生や、まともな読書習慣がない大人くらいしか騙せない構図にハマってしまう。何の利害関係もない第三者が見れば、政権を担当する人々も、それ批判する人々も、そして両陣営に乗っかる大衆も・・・全員バ⚪︎ばっかりじゃねーか!?ってことになる。
経営とは・・・
全国の企業や地方公共団体にはくまなく「コンサル」と呼ばれる人々が業務改善の為の仕事を行っているけど、彼らの任務は「最先端の経営」という曰く付きの「御題目」を振りかざすわけでも、「The GOAL」を読めば誰でもわかる経営の初歩的な理屈を教えるためでもなく、カルロス=ゴーン的な「外部コストカッター」としての役割を期待されているに過ぎない。ちょっと言い過ぎかもしれないが「地方創生」ではなく「地方埋葬」をするために総務省から業務を委託されている。そんな仕事を割り当てられられた多くの若者(30歳くらい)の10年後にサラリーマン金太郎のようなスペクタルなハッピーエンドがあるのだろうか!?(絶対に『無い』とは言わないけど)。 ホロウィッツもコンサルであり、「WHO YOU ARE」でもまさに組織論を優劣を前提に語っているわけだけど、「優れた組織には致命的な弱点もある」という留意点を忘れずに述べるという点で、日本の上記の論客よりもずっと成熟した印象がある。
つまらない人
いい歳した大人なのにそこそこ熱心にクルマのブログなど書いていると、しばしば斜に構えたムカつくだけのコメントに遭遇する。大変失礼だけどもう対応しきれないので、独自の基準で選別した上で、かなり多くのコメントを無視させてもらっている(掲載すらさせない)。「なんでコイツはクルマごときでこんなに暑苦しいブログを書けるんだ!?」とかコメントが結構な頻度でやってくる。そんな自称・全知全能の神・・・って人は想像以上に多い。コメントこそしないけど、私のブログを読みながらそう感じている人はもっと多いのだろう。重ね重ね失礼だけど、そういう人の99%は「情熱」という「才能」がないのだと思う。
バリアーを作れ!!
マラソン、トライアスロン、自転車ロードレース出るために毎日トレーニングしている人、鉄道や城の写真を撮るために全ての休日を捧げている人、全国のラーメン屋やケーキ屋をくまなく回ることを生きがいにしている人など様々な「情熱」こそが世の中を動かしている原動力だと理解できないのだろう。全くの偏見でしかないけど、そんな人こそがMAZDAのデザインを見るとなんか文句の一つでも言わずにはいれなくなるのではないだろうか(頑張っている人を叩く社会)!?それぞれ意見は尊重されるべきだけど「情熱なき人々の発言」は世の中の活力を奪ってしまう側面もある。そんな人々を徹底して切り離すことで社会を動かしていく技術革新がもうすでに広がりつつあるので、もはや問題にもならないだろうが・・・。
なぜ日本では起業が少ないのか!?
MAZDAデザイナー・前田育男の著書を読めば、そこには「俺のデザインは世界一に選ばれたんだアホは黙れ!!」くらいの情熱のほとばしりがある。「情熱がない人は仕事などやらない方がいい」「そんな人は間違ってもMAZDAなどに入社しない方がいい」・・・そんなメッセージが圧倒的な「熱量」で綴られている。20年も前ならば大手企業の社員がこんな本を出せば「生意気だ!!」と世間からボコボコにされていただろうけど、そんな「ムラ社会」はバブル崩壊後の長い不況によって持続困難になった。もはや多くの若年層は「情熱」なしに身動きなどできなくなった。「社会変革をしたい!!だから私は起業家になる!!」というメッセージをなんの実績もない若者が吐露したところで、「才能のない人」の批判の餌食にされてしまうのがオチだ。
暇つぶし不要
休日は暇つぶし目的でテレビ、ユーチューブ、ゲームで過ごしてる。近所のショッピングモールやコンビニにダサい格好で現れブラブラする。失礼だけど「情熱なき人間」の日常ってこんな感じじゃないだろうか!?コメントを見ているとその人が普段どんな生活をしているか何となく想像できてしまうこともしばしばある。極力関わりを持ちたくないので、当たり前だけどコメントそのものを不許可(不掲載)にしてしまう。そんな人が私のブログを読み続けてもストレスが溜まるのは当然でしょうし、不遜な言い方だけど私とは住む世界が違いすぎる・・・。
「情熱」ファクター
ベン=ホロウィッツも「WHO YOU ARE」というタイトルからもわかる通り、ただシンプルに「情熱を持っていますか!?」と読者に問いかけている。ホロウィッツのこれまでの経営者・コンサルでの経験上、あらゆる「合理的な判断」よりもさらに上位の概念として明らかに存在しているのが「情熱」であり、それがわからない人々にはビジネスは絶対に無理だからさっさと撤退しろ!!とまで書いている。ふとMAZDA記事のヤフコメにつまらない批判を書いている連中が頭に浮かぶ。ホロウィッツがビジネスの基本と考えている「(企業経営における)情熱」という概念がそもそも『無い』のだろうなと思ってしまう。
「MAZDAは宗教」
AJAJの老害はカーメディアのレビューに「MAZDAは宗教」などと平気で書く。「情熱」というワードを差別的に変換すると「宗教」?あるいはもっと深い意味があるかもしれないが・・・。どうやったら情熱(宗教)が高いメーカーだとわかるのか!?クルマの完成度と社員のイカれっぷりの2つのパラメータがある!?多少贔屓目もあるかもしれないが、MAZDA車の完成度は国内外の他社と比べてもずば抜けている。例えばNAロードスターの世界的な成功を見て、フィアット(バルケッタ)、ルノー(ウインド)、三菱(エクリプススパイダー)、ホンダ(S2000)、メルセデス(SLK)、BMW(Z3/Z4)、ポルシェ(ボクスター)などが相次いでフォロワー参戦したけども、ロードスターの名声を超えるものは一つもなかった。
作り込みの情熱
スポーツカーだけでなく乗用車に関しても2010年以降のMAZDAはさらにストイックになってきた。車種の絞り込みで行われたスライドドアの廃止やCVTの廃止(外部ミッションの排除)にも印象的だが、それだけでなく従来からMAZDA車の特色を色濃く反映していたハンドリング、アクセルフィールの作り込みをさらに差別化させている。総合自動車メーカーではMAZDAだけはハッキリと見分けられるレベルだ。トヨタ、BMW、メルセデスはクルマによって作り込み加減が違うけど、誤解を恐れずに言ってしまえば、全モデルがMAZDAレベルだと失格だ。いずれにしろ「情熱」が足りない・・・という大きな問題が横たわっているのは否定できない。とにかくこの3社は「物足りない」と感じることが多い(ハードルが高過ぎるのかもしれないが)。
正解はない・・・
前回も似たようなことを書いたけど、ベン=ホロウィッツについて私はよく知らない。ただしそんな背景など一切なく、たとえホロウィッツがニートだったとしても「WHO YOU ARE」で述べられることには価値があると感じられる。もちろんホロウィッツが絶対に正しいなんて思っていない。ただ単にホロウィッツの主張に多く納得できる部分があったことと、MAZDAはブログで熱く語りたい気分になるけど、トヨタ、メルセデス、BMWに関しては全く気分が乗らないのはなぜか!?それは「情熱」の有無なのかもしれない・・・という小さな「気付き」があったというだけの話だ。
「情熱」はMAZDAに限った話ではない
外出自粛が求められ、仕事のない日は部屋にこもり、集中力を高めるために音楽とカフェインタブレットを常用する日々。普段なら色々なアーティストを「楽しんで」聴くのだけど、長時間を過ごすとなると聴いていて疲れないものばかりになる。もっぱら、Chris Brown、JUJU、Belle&Sebastianの3組ばかり聴いている。同じ部屋で聴いているのに、3組それぞれで景色が変わる。アーティスト個人の圧倒的な表現力はもちろんだが、サポートする音楽エンジニアの仕事が凄まじい「情熱」の詰まり方をしている。