IS350Fスポは「国宝級」
時間の経過とともに市場の棲み分けが進んできて、デビュー時とは違った相対的な価値を持ち始めるモデルがたまにある(ランドクルーザープラドなど)。フルモデルチェンジした2013年頃よりもレクサスISもまた2021年現在の方が遥かに立ち位置がわかりやすくなってきた感がある。しかしこのまま現行で廃止が本当ならばそれは悲しいことだ。正統派のグランドツアラーである「IS350」はFスポの1グレードのみで本体価格は650万円。スカイラインにはすでに自然吸気はないし、アウディS4/S5スポーツバックだと新車価格は900万円まで跳ね上がる(もちろんV6ターボ)。個性を備えて支持されてきた4ドアのGTサルーンはレクサス、日産、アウディの3ブランドに集約されており、それぞれに商品価値はわかりやすくなっている。掛け値なしの高級車>サルーン。
MUSTANGのように・・・
しかし3陣営共に現行モデルで終焉を迎える恐れもある。幾多の名車を産んできたガソリンエンジンのGTサルーンというジャンルがある日突然に日本市場から消えてしまうかもしれない。すでに「空席」ができることを見越してMAZDAとSUBARUが新規参入に動いているようだけども日本市場で流通する価格で本当に市販されるかどうかは全く不透明だ。マスタングとかいう世界的ベストセラーの日本市場凱旋も難しそうだ(右ハンドルの並行輸入はあるけど)。CAFE規制もあり、6気筒ガソリンモデルでの単独販売も難しいようで、マスタングもクロスオーバーのEVモデル(マスタング・マッハE)を発売した。既存ブランドも新規参入ブランドも「正統派GTサルーン」と「電動クロスオーバー」の二本立てを駆使してでも、ハイクオリティなクルマ作りを守り続けてもらいたいものだ。