新たな日独競争が・・・
MAZDAとレクサスの協業が本当で、直列6気筒のエンジンを抱えるFRシャシーを開発するとなれば、グローバルでの仮想ライバルはアウディ&ポルシェ連合だ。北米市場でパナメーラやS6/S7と対峙しても存分に選んでもらえるクルマそのものは作れるだろうけども、そんな重厚感あるモデルでは、いうまでもなくアルテッツァ以来のレクサスISのコンセプトとは大きな乖離が避けられない。「こんなクルマはISではない・・・」と失望やため息を誘うこともあるだろう。新型レヴォーグをベースとしたサルーンの方がアルテッツァの原型にはるかに近い。現行のレクサスISと比べても、「アルテッツァ」への先祖返りをPRできそうだ。
幸せな悩み・・・
MAZDAとスバルの参入で「過当競争」気味になるのは予想できるけど、優秀なクルマをリッチな人々に買ってもらうという意味で、レクサスへのOEMは非常に現実的な戦略だと思う。繰り返しになるけど、諸刃の剣でもある協業は「オンリーワン」で優れた設計ならば大いに評価されるだろうけど、他社の真似をしたようなありきたりなモデルであった場合は、ブランド価値の失墜を引き起こしかねない。新型レヴォーグの並々ならぬ完成度は、レクサスに移植するのに十分過ぎる質感を伴っているし、おそらく2022年のMAZDAもそれに劣らないクルマを作って来るだろう。来年か再来年かわからないけども、MAZDAにするかスバルにするかで多くのユーザーが真剣に悩む「時代」が到来しそうだ。さらにレクサスへの移植で、お金持ちにも「国産GTサルーン」を選ぶ楽しさが味わってもらえるようになるかもしれない。