シビックとMAZDA3の意味するもの
シビックが日本に凱旋したおかげで、2000年代からフォードが理想を追求した「エコ・ブースト」に近い設計理念の「Vテックターボ」1.5Lターボを日本で乗ることができる。すでにボルボV40の2013年頃の初期型モデルには1.6ターボの「エコブースト」が載っていて、このエンジンの活躍によって同時期に発売されたゴルフやAクラスを掻き分けてV40が日本で異例の成功を収めた。ちなみにフォードとMAZDAが袂を別つキッカケとか言われているのが「自然吸気かエコブーストか」の意見の相違だそうだ。どちらにも一長一短の特徴があることはわかった上でそれぞれ別の道を進んだ。そして今「シビック」と「MAZDA3」という形で日本市場でMTモデルで対峙しているのはどんな因縁だろうか!?
批判する前に察しろ!!
「自然吸気へのこだわり」を掲げてフォード陣営を去ったMAZDAゆえに、頑なにダウンサイジングターボへの拒絶を見せていた。エンジンエンジニアの人見さんが著書でダウンサイジングターボへの疑念を余すところなく主張するなど、少々ムキになってMAZDAの考えを発信した結果、日本市場ではクルマ好きの多くが輸入ブランドの下位グレードに使われるようなエンジンには見向きもしなくなった。そして他社への批判だけでなくMAZDAの正当性を主張するために「スカイアクティブX」の市販化が強行された。MAZDAが独占的に使っている技術ゆえに、最初から市販化の旨味が少ないのは承知の上だろうから、国沢さんに繰り返し批判されても「うるせえ!!じじい!!」ってなもんだろう。AJAJのライターならばMAZDAの退っ引きならない事情を察してくれても良さそうだが・・・。
欲望が渦巻く
「Vテックターボ」も「スカイX」も180psオーバーの程よい出力に、MTを組み合わせたドライブフィールは、あらゆる意味で日本でのカーライフにはちょうど良いサイズ。ちょっとマニアックな話だけど、シビックとMAZDA3スカイXの「FF&MTの同色2台持ち」とか最高にエンスーだと思う。気分によって今日はターボとXと乗り分ける。晴れたらターボ、雨だったらX。誰かに「どんなクルマに乗ってるの!?」って訊かれたら、「ホンダとMAZDAの『魂』に乗ってる」とか渋く答えてみたい(言ってることかなり変態だけど)。