GRヤリス(北米)
トランプに潰された伝説のトヨタ車
メキシコの某日本メーカー工場で秘密裏に製造されていた北米版ヤリスだが、昨年の後半に販売が終了され北米市場から消えてしまった。昨年7月に発効したUSMCAによって、75%の北米部品を使わないと非関税モデルにならないため、東アジア製部品が多かった同モデルは廃版を余儀なくされたらしい。アメリカ人の平均的な体格には日本&欧州メーカーのBセグは小さ過ぎるようで、比較的に室内が広めのホンダ(フィット)と日産(ヴァーサ)以外は積極的に導入されておらず(MINI、フィアット、アバルトはともかく)、販売面で期待できないジャンルでもあるけど。しかしこの北米ヤリスは、10ベストカーで知られる北米「CAR and DRIVER」誌が、ドライビングフィール重視でジャッジする評価でトヨタブランドとして唯一五つ星を獲得していたモデル。「10ベストカー」は、毎年のようにホンダ&マツダがそれぞれ複数選ばれて半数を占めてしまうほど優遇されていて、ドイツ車好きはやや不満があるランキングです。
日本の小型車の実力を存分に示す!?
CX-5のハンドリングで大興奮するアメリカなので、乗った瞬間に「これ絶対にトヨタじゃねえ」とわかるMAZDA2ベースの北米ヤリスにさぞかし驚いての「五つ星」なんだろうけど、北米市場に合わなかったとはいえ、これは「GR」の素材としては非常に優秀。MAZDAが「スポーツモデルを作れ!!」の声に応えたくても情勢不安定で身動きが取れない状況なので、「GR」がその声を吸収すればいいと思う。マツダシャシーにGRヤリスのエンジン載せて272psのホットハッチとして「GRヤリス」に被せてきてもいいし、ダイナミックフォース1.5L自然吸気を、MAZDA製のトルコンATもしくはMTと組み合わせてくれるだけでも涙を流して喜ぶドライブ好きはたくさんいると思う。「素」のクルマの良さで勝負して、ライズのように十分に商品力を発揮できる。ちょっと気になるのはネーミングで、「北米版ヤリス」復活!!とアナウンスしながらもアメリカでは売らずに、車体もこっそり広島から調達してしまえばいい。そして右ハンドル国でぜひ売って!!