エンジンモデルのレベル
しかし0-100km/h加速で8秒というタイムは、スバルの300ps級ターボエンジンや、マツダの2.2Lディーゼルターボを搭載したモデルからすれば、それほど目立った数字ではない。実際のところ、あまり速いイメージはないCX-5・XDとノートe-POWERの0-100km/h加速はほぼ同じ水準である。CX-5には他にも主に北米向けに開発された2.5Lガソリンターボも設定されていて、これもMAZDAのライトサイジング戦略に沿った加速&トルク重視のユニットであり、狙いは北米の大排気量モデルに引けを取らない加速性能の確保にある。リーフやe-POWERで発揮される最大トルクは35kg・m程度で、MAZDAのガソリンターボやディーゼルはそれを上回る40kg・m以上であり、発生回転域の差はあるけども一般的なEVと同等以上の加速だ。「一度EVに乗ったらガソリン車には戻れない」という感覚に近いものを、スバルやMAZDAの内燃機関モデルのユーザーも感じている。
日本市場と北米市場は幸せ
両社は北米と日本市場向けには、加速に優れるモデルを数多く展開している。つまり北米市場でも日本市場でも、EVのインパクトをそれほど感じないくらいに、手頃な価格でそれなりの加速を持った日本メーカー車が買えてしまうが、実はこれこそが両市場でEVの普及が進まない最大の理由なのではないだろうか!?加速性能を向上させたリーフNISMO(429万円ー補助金40万円)だとしても、スカイライン(435万円〜)の加速には及ばない。実用的な価格のEVが誇る加速にそのユーザーが満足することを決して否定はしないけども、それは0-100km/hが12秒ほどかかる小型車やミニバンを相手にした指標に過ぎない。スバルやMAZDAのラインナップではCX-5の2Lガソリンモデル(約10秒)といった例外こそあるけども、「一度EVに乗ってしまうと、もうMAZDAの内燃機関モデルには戻れない」なんてことはまず感じない・・・。