先代・現行のハリアーに疑問
CX-5に乗っているが、街中でハリアーに遭遇すると「コンセプトを見事にコピーされてるな」と感じる。クルマとしての「立ち位置」はほぼ同じかなと思う。MAZDAとかトヨタとか好みを介さない人には、CX-5でもハリアーでもどっちでもいいのでは!? しかし個人的にはCX-5とハリアーが「同等」のものだとは思っていない。ハリアーは先代モデルから何を引き継いでいるかすらよくわからないし、とりあえずCX-5をベンチマークしただけのモデルに特別な感情は湧かない。余計なことを言ってしまえば、先代のハリアーも中途半端な設計だった。ちょっと嫌な言い方だけど、MCプラットフォームでなんでも間に合わせるトヨタのクルマ造りがそもそも好きになれなかった。そんなポリシー無しの沼から這い出すために、現行モデルは他社のコンセプトを拝借・・・。
ヴェゼルの輝き
その一方で先代のヴェゼルの乗り味は非常に好印象だった。MAZDAのBセグ(MAZDA2、CX-3)を上回るダイレクトなフィーリングは、日本メーカーではヴェゼルとスイスポくらいしかなかったと思う。キャラが無かった先代ハリアーと違って、先代(まだ現行)ヴェゼルには明確な設計の意図があり、パワーユニットにはホンダの自信がみなぎっていた。ハリアーやCX-5より一回り小さいBセグで、「軽さは正義」という黄金律がピッタリの走りっぷりだった。重いCX-5は大排気量やディーゼルユニットを組み合わせていたが、先代ハリアーは重量増に対して無策だったように思う。新型になってハリアーはCX-5のコンセプトはコピーしたけど、顔まで真似するのは避けた。走りのキャラがないクルマが顔まで真似したら評判が失墜すると判断したのだろう。対してヴェゼルは「走りの質」を確保していた。CX-5に似た顔になってもそのキャラは色あせないだろうし、再び多くのユーザに愛されるはず・・・トヨタとは真逆の判断をしたようだ。