10年取り組めば良いものになる
どちらもモジュラー設計ではあるけど、ガソリン4気筒ターボ(B48)やディーゼル4気筒ターボ(B47)などの「2L直4」という排気量が、日本市場のBMWで定番化してすでに10年ほど経過し、ドライブトレーンとしての完成度は不可逆的に高まっている。EVシフトを見据えて、新型エンジンの開発が凍結されており、パワートレーンのリソースは既存エンジンの改良に注ぎ込まれる。「古臭い」の一言で叩き切る福野礼一郎、水野和敏、国沢光宏といった還暦超えのレジェンド・ライターの声がデカいのが厳しいが、日進月歩で内燃機関が進化した時代に生きた人々の感覚ということを考慮に入れなければならない。
実はエンジン派にとって幸せな時代
日産のVQ37や、三菱の4B1、フォードのMZRターボ、プジョーが大事に使うプリンスなど、10年以上も改良を続けているエンジンは今でも魅力的だ。EVシフトによって新開発エンジンに後ろ向きなメーカーは、可能な限り現存エンジンの延命を図るだろうけど、この4メーカーもBMWと同じ状況で「魅力的」なエンジンの改良を続けている。トヨタやMAZDAのように新型エンジンを投入して来るメーカーも素晴らしいけど、「古参」エンジンが進化して、新しい世代のシャシーに搭載されるモデルってのも興味深い。VQ37のフェアレディZはプレミア化するだろう。マスタングをスマッシュヒットさせたMZRターボは素晴らしい。すっかり近未来モデルになったプジョー508にプリンス(BMWとPSAの共同設計)が載ってる!!