輸入車が伸びた2000年代
トヨタ、日産、ホンダが日本市場向けには単価を上げるためにスライドドア車ばかりを優先した2000年代に、日本市場の輸入車シェアは面白いほどに伸びた。BMWが最多売り上げを記録したのは2007年のことだ。日本の大手メーカーのスライドドア車を買うぐらいなら、南アフリカ製で日本のハードな気候向けにデチューンされた「8割」エンジンを積んだビーエムの方がマシだと考えるユーザーが少なくなかったのだろう。リーマンショック前夜の好景気がそれを後押しした。日本経済全体が「アウトソーシング」「アジア進出」に湧いていた頃であり、日本の自動車メーカーも系列サプライヤーの再編を強行し、工場には派遣労働者が広まり、世間から冷たい目で見られていた時期でもあった。
価値観の分断
VWやBMWを手に入れて「もう日本車に戻ることはできない」と、上から目線で語る人が多かったように思う。ドイツメーカーによるその後の「後出しリコール」や「ディーゼルゲート事件」など、様々な「闇」を知るよしもない時代だったので仕方ない部分もあった。2012年に終焉間際のMAZDA第五世代を買うのだけど、日産、ホンダ、アウディ、BMW、プジョー、ボルボなどの「ロードカー」を色々試した。日産、ホンダ、アウディはアメリカナイズが進んでいて、今のレクサスLSや7シリーズみたいな乗り味。BMWは・・・この頃はかなり安っぽい印象。プジョーは個性的でMAZDAの次に良かった。ボルボはMAZDAのB系シャシーっぽい走り。他を相手にしないくらい優れていたGHアテンザを選び、MAZDAの凄さをブログに書きまくったが、前述のような上から目線のコメントには辟易した。