e-POWERにも世代がある
キックスだけAWDモデルが存在しないことからもわかるが、ノートとオーラが神奈川県追浜工場で全量が生産されるのに対して、キックスはe-POWERを生産する唯一の海外拠点となっているタイのバンナー・トラッド工場で生産されている。日本には2020年に導入されているが、ブラジルなどでの発売は2016年に遡る。そのため先代ノート(2代目)が使っていた古い世代のVプラットフォームが採用されている。現行ノート(3代目)、オーラ、現行ルノー・ルーテシア(5代目)はCMF-Bプラットフォームに変わっている。Vプラットフォームは初代ジュークで華々しくデビューし、4代目ルーテシアという大傑作を生んだ伝説的シャシーでもあるので、素性が悪いとは決して言わない。
1年間だけ販売された激レア車
2018年から翌年のフルモデルチェンジまでのわずかな期間だけ販売された先代ノートe-POWERのAWD版が、オーラという新型モデルが誕生する序章になっていたようだ。200万円そこそこで売るコンパクトカーにしてはハイスペック過ぎる。FWDモデルと比べて30%くらいの出力アップをさらっと展開してくる。MAZDA・CX-5などもFWDは2L、AWDは2.5Lと作り分けているけども、電動コンパクトカーで律儀に作り分けるところが日産らしい。2016年からのe-POWER旋風で大きくユーザーも動いていたので、クルマ好きの多くが様子見をしていたわずかの間に、VプラットフォームにAWD版e-POWERという中古車市場で値上がり必至?の激レアグレードの販売が終了してしまった。