日産開発陣は怒っている!?
従来からスイフトスポーツやMAZDA2の15MBやXD、あるいは日産が先代ノートのガソリンモデルに1.6Lを乗せたノートNISMO・Sなど魅力溢れるモデルがあった。今はラインナップ落ちしているものもあるけど、ルノー・ルーテシアRS、プジョー208GTi、VWポロGTIなどの200ps級のハイエンドなホットハッチモデルが存在し、そこに勇躍して参戦し欧州市場を仰天させたのがGRヤリスで1.6Lターボで272ps・・・この破天荒なスペックが日産陣営をどれくらい刺激したのだろう。元町工場でワンオフ(セル生産)で作られるトヨタのパフォーマンスモデルなど歯牙にもかけないかもしれない。これまで作成してきた日産のワンオフには約5000万円という規格外の価格で欧州のみ販売されたジュークにVR38DETTを搭載したモデルがあったくらいだから、「ワンオフ」の付加価値に対する冒涜的な価格設定!!とご立腹だったかも。
カタルシス
1人のクルマ好きとしてはGRヤリスは大いに歓迎すべきチャレンジなのだけど、THSで主導権を主張してきたトヨタが市場に迎合して複数の欧州メーカーがすでに行っている手法を踏襲したという意味で、いささかカタルシスへの訴求は弱い。日産も海外市場では1.4Lや1,6Lクラスのハイエンドターボユニットを展開しておりGRヤリスのような企画は容易に実現可能だ。しかし2016年以来の大ブレークを果たしているe-POWERユニットの進化に開発資源を集中し、中大型のクルマでは得難い魅力をBセグのコンパクトカーに与えている。最新世代のe-POWERの生産拠点も現状では追浜工場に集約されており、国内市場で実績を積み上げて、日本発の重要なイノベーションとして基幹技術に育てようとする意図があるようだ。