ニッケル水素でも凄いらしい
2代目アクアの技術的進化は、ヤリスHVの頭一つ抜け出した燃費性能を持ちつつ、e-POWERやe:HEVのユーザーに訴える加速性能も視野に入れた「総合力」にあるとされる。新開発のバイポーラー電池はニッケル水素素材ながらも、リチウムイオンバッテリーを搭載するヤリスHVと同じ最大電圧となっており、総電力ではヤリスHVを上回るため、スポーツモード(POWERプラス)を選択すればトヨタのHVのコンパクトカーではかつてないほどに速い。日産、ホンダ、三菱、スバル、MAZDAが好む「飛び道具」ではなく、トヨタらしい漸進主義ではあるけど、いくつかの項目では業界トップの水準にあるので文句なしの「トヨタのエース」と言っていい仕上がり。
悪いのは・・・
THSの経済性を発揮するために新型アクアも車重を抑えていて、わずかに1080kgだ。前後モーターの出力合計が200psに達するAWDのオーラは1350kgもある。何の法令・規則の根拠もないのだけど、国土交通省の国内メーカー向けの「型式認証」の大まかな基準を各メーカーは根回しして事前に許可を得ているのだろう。もちろん過当競争はよくないけど、日本メーカーがイマイチ殻を破れないでいて歯がゆい原因は、この監督省庁の保守的過ぎる姿勢にあるようだ。水野和敏さんも言っているが「もう日本でクルマ作っても面白くない」だそうだ。奥山清行さんや和田智さんも似たようなこと言ってたな。お役所だけが悪いわけではなく、トヨタの社長も「30万人の従業員を守るためにつまらないクルマを作り続ける」ことに、ずっと疑問を抱いてきたとも言っている。