良いクルマの必須条件
アクアやオーラの企画の根底にあるのはヤリスHV、ノートe-POWERでは採用を断念した「開発者」がクルマに求めるさらなる理想の具現化だろう。ちょっと前にあったMAZDAベリーサのようなクルマを、メーカーはもっともっと作りたいのだと思う。普通車で一番小型のカテゴリーになるBセグ車は、どうしてもヒエラルキーの裾野に位置するので、機能が限定されコストダウンしたモデルだと判断されやすくなる。本当はBセグが一番運転していて楽しいし、デカイ車が凄いという昭和の価値観は、当時のエンジン技術の格差があってのことであり、今ではBセグもフルサイズサルーンも加速性能はそれほど大きくは違わない。衝突安全性もシートやインパネの質感もほとんど劣るところはない。
フランスメーカーに学んだ説
前にも書いたけど、4100mm前後という絶妙なサイズ感は何より素晴らしい。日本のカーメディアは相変わらず「Cセグは欧州の最激戦区」と書いているが、欧州フォードの主力はフォーカスではなくフィエスタに変わっている。MAZDAにおいてもMAZDA3に変わってMAZDA2が飛躍するタイミングかもしれない。欧州市場の絶対王者だったゴルフも数年前にルノー・クリオ(ルーテシア)の前に撃沈した。日本市場でもルーテシアやプジョー208の評判は非常に高い。この動きがアクアやオーラの開発においてもかなり影響を与えているのだろう。Bセグなのにこんなに作り込んでいる。フランスにおいても日本においても、付加価値の高いコンパクトカーだからこそ国内生産が可能であることは、市場にもしっかり伝わる。