日米同時発売
「199万円〜」のアクアに対して「312万円〜」のシビックが、メイン市場である北米の販売開始とほぼ同じタイミングで日本にも導入された。この点は先代シビック、現行CR-V、ここ数世代のアコードが「良いクルマなのに思ったほど売れない」状況なのを反省してのことなのだろう。北米向けに輸出するわけでもないのに、寄居工場に日本向けラインを設定。オデッセイを切り捨ててシビックを選んだからには、日本市場に対しても並々ならぬ自信があるのだろう。何と言っても30年ほど前に、どこと技術提携するでもなくたった1社(系列サプライヤー全体を1つのグループとして)で米国と欧州の自動車メーカーと戦い抜いたホンダである(F1の話ではないです!!)。
黄金時代
今でもファンが多い第4〜6世代のシビック(EF、EG、EK)は、1987年から生産が始まったが、足回り(4輪ダブルウィッシュボーン)とエンジン回転に関してはほぼフェラーリと同じ。そんなクルマを出されてはメルセデスもBMWもお手上げだ。90年代〜2000年代のtypeRは280km/h前後の最高速度を誇り、欧州で販売される公道市販車でも最速。アウディやBMWのハイエンドモデルが300km/h超を誇り始めたのは、V8ターボが使われ出した2010年以降の話だ。リーマンショック後の欧州メーカーのガソリンターボ化は、環境対策とされているがホンダの自然吸気Vテックの前に太刀打ちできるのが、フェラーリ、ランボルギーニ、アルファロメオ、BMW、AMGなどのセル生産手組みエンジンしかなく、このままだと「ジリ貧」で先が見通せない状況ゆえの判断だったと言える。