シビックとカローラでは全てが違う
シビックのライバルはカローラなんだろうけど、トヨタ、ホンダそれぞれの意図を汲んで「オリジナリティ」基準で選ぶならばシビックの相手はアクアだ。自然吸気Vテックに対抗するエンジンを自社で作れずヤマハにチューンしてもらっていたかつてのカローラランクスは、スペックこそシビックtypeRに近侍していたがアウトバーンを260km/hでブッ飛ばせるようなクルマでは全くなかった。欧州へ本格進出したカローラランクスだったけど、やはり素人にもわかるくらいの完成度不足(それが良い点でもあるけど)で、フォーカスやゴルフを脅かす存在にはなれなかった(代わりに欧州で大ブレークしたのが初代アクセラ)。それに対して現行のカローラは、すでにフォーカスよりも売れるCセグになってしまっている。Cセグではゴルフに継ぐ地位にまで進出した。いずれにせよ2000年以降のカローラの設計は「受け身」過ぎる。
シビックに対抗できる唯一のクルマ
それに対して「アクア」はトヨタがオンリーワンの技術力を結集させて作り上げ、次の10年を見通した設計だと力強く宣言している。10年後はどうなっているかわからないと思うかもしれないが、10年という年限ではアクアが誇る軽量設計、ニッケル水素ゆえの安定性(燃えにくい)、そしてトータルでの所有&運用コストにおいて不可逆的な技術水準にあるとトヨタは考えているのだろう。10年以内に他社がアクアを明らかに超えるレベルの経済性・快適性・安全性を備えたクルマを量産することは、日産やホンダであっても難しいだろうという「戦線布告」に他ならない。WLTCモードに代わりTHSの限界が示されるかと思いきや、ヤリスHV&アクアの数値に並びかけてくるライバルがいなくなってしまった。