トヨタの弱点
この数字は平均の原価率・・・ではなくて、2021年6月に販売された各ブランドの「普通乗用車」におけるハイブリッド車(HV)の比率だ。軽自動車を除いてしまえば、もう日産は9割近くがHVなのに対して、意外にも世界的なHVの先駆者・牽引者と見られているトヨタの数字は低調で、むしろ非HVが販売の中心になっている。HVのグローバルな普及にトヨタが執念を見せて闘っているのは確かだけど、お膝元の日本市場ではダイハツOEMに加えて利益率MAXな非HVのミニバン&SUVで利益を上げている。アルファードのユーザーに聞くとTHSによる燃費向上はほとんど期待できないので、アルファードHVには全く興味がないらしい。
併売の難しさ
プリウスやアクアなど「HV専用モデル」で注目度を高めてTHSの普及を図ってきた。プリウスやアクアの絶妙なパッケージングや独特のブランド感があったりして、一時期は国内市場ではトヨタ普通車の2大エースへと成長した。しかしその後のカムリやC-HRは国内でこそHV専用だが、ベースは北米向けのエンジンモデルであり、トヨタ名物の国内専売モデルも既存のガソリンエンジンモデルにTHSを搭載する戦略でラインナップの多くにHVが設定された。数年前のプリウスやアクアの人気ぶりから考えて、他のモデルをHV化すればさらに人気になると目論む気持ちもわからないでもない。しかしいざトヨタでHVとガソリンエンジンが両方用意されているモデルを選ぶと色々な問題点が見えてくる。