レクサスISの躓き
2013年に登場しHVを併売するようになったレクサスISも、デビュー当初から明らかに調子が悪い。乗り出し価格の目安が約600万円からであり、その中途半端な立ち位置ゆえに、クルマに出資を惜しまない熱心なユーザーというよりは、質の高いライフスタイルを好む優秀な中間層がメインターゲットだ。2013年の段階で車線警告アラートなどの中間層が出資を惜しまない安全装備はかなり付いていたし、インパネの秩序だった塊感は同時期のメルセデスCクラスとは対極のデザインだったが、個人的にはコチラの方が好みだった。申し分のない質感のレザーシートにベンチレーターがスースーと効いていて、「走りのセダン」の本質よりもそちらの印象が強かった。
踏み切れない・・・
これだけの快適装備を積めば当然ながら重くなるし、トヨタ自慢の3.5LのV6でもちょっと加速がマイルドで、ハンドリングもそれほど軽快ではなかった。他に直4ターボとHVが用意されてしまうと、その中でとりあえず自分に合った1グレードを見つけることはできるだろうけど、迷った分だけ「絶対にこのクルマだ!!」という購買エネルギーの低下は免れない。世帯年収が2000万円近くあったとしても、600万円以上するクルマを決断するには相当の「熱量」が必要だ。