倒錯
メルケル長期政権が築き上げたドイツ版「護送船団方式」は、HVもまともに作れない同国メーカー群の成長を国家プロジェクトとして支え、同時に様々なスキャンダルや疑惑からも守ってきた。中国政府並みの保護政策で組織したボッシュやコンチネンタルといった世界最大級のメガサプライヤーによって包括的に支えられているので、出てくるモデルは排気量も似たりよったり、ミッション選択も下位モデルはDCT、上位モデルはトルコンATで同じように作り分けている。それに対してトヨタグループのサプライヤーを使うレクサスでは、フラッグシップはV8自然吸気、上位モデルは直4HV、下位モデルは直4ガソリンターボという不思議なヒエラルキーを構築している。
アジアマーケット向け
ドイツの連合体とトヨタが必死で営業してきたので、あまりハッキリとは認識されなかったけど、実際のところ「魅力あるクルマ作り」の歩みは2007年の段階で断絶してしまった。レクサス、メルセデス、BMW、アウディは2007年ですでに終わっていたのだ。リーマンショックと同時に爆発的な中国市場の成長が始まったために、ドイツの名門ブランドはメルケルの前に糾合した。直4ガソリンターボに代表されるアジアマーケット設計がこれらのブランドの全てを覆うようになる。乗っても全然高級感ないけどさ・・・。