1.5Lターボになる理由
ホンダは当初から2Lターボ(シビックtypeR)は「サーキット向けエンジン」だと宣言していた。同じくBMWもボルボも非サーキットモデルにおいては2Lターボはあまりにも無駄が多いと判断したのかもしれない。特に横置きエンジンのFFモデルでは、2Lターボで200ps以上のエンジンを搭載してしまうと、加速時にまっすぐ走らなくなるのでAWD化が不可欠になってくる。重量も増え、燃費も悪化し、ハンドリングや乗り心地も悪くなり、キャビンのスペースも狭くなる。最初からAWD化を考えていないプジョーやシトロエンは1.6Lターボより大きな排気量のエンジンを作らないのもごくごく当然の話だ。
楽しいクルマは・・・
豪雪地帯を抱える日本では、どんなクルマにもAWDを設定することが「メーカーの社会的責任」になっている。しかしその実態は、豪雪地帯ではないユーザーにとっては、前近代的な「オーバースペックな無駄」でしかない。スペックや機能を目一杯積んで「良いクルマアピール」する半世紀以上続いてきた悪習から抜け出せない日本の自動車産業では目立たないけど、1.5LターボでFFのCセグ&Dセグには、クルマの根源的な楽しさが詰まっている。他人の目を気にしてクルマ選びしている人々には、おそらく理解されないだろうけどさ・・・。