ZF躍進
BMW7シリーズ、マセラティ・クワトロポルテ 、ジャガーX Jはそれぞれに「エンジン」に主張があるフラッグシップサルーンだけど、スポーティなエンジンを受け止める高容量ミッションは、ZF製トルコンATを採用するくらいしか方法はない。ZFフリードリヒスハーフェンは大型バス用のトルコンATシェアで世界トップのサプライヤーだ。メルセデスはSクラスのために直6ツインターボ&48Vに合った専用トルコンATを内製しているのに対して、ライバル車のほとんどはバス用ミッションを改良したものを使っている。流石に2速発進ではないが・・・。
高出力化の意味
ボッシュ、コンチネンタルなどと共に、宰相メルケルの統治下でスクスクと成長を遂げてきたドイツのサプライヤーの中でもZFの活躍は目覚ましい。30年前まではフェラーリも300psくらいで走っていたが、今ではエンジンの高出力化が凄まじい勢いで進み、大型サルーンは400ps越えも当たり前の時代になった。かつてはメルセデスの内製ミッションに大きく負けていたというBMWとZFのコンビも、高出力時代になれば、桁違いのトルク容量でも余裕で作れるZFが独占状態になるわけだ。ハイエンドのスーパーカーでもせいぜい80kgmくらいだが、一般的なバスのディーゼルエンジンの最大トルクは1000rpmで200kgmくらい出る。