立場の違い
しかしメルセデスSLK(1996〜)、BMW・Z 3(1996〜)、ポルシェ・ボクスター(1996〜)は、いずれもフロントがストラットだった。とてもじゃないがバブル全盛の頃の日本メーカー(特に日産、ホンダ、MAZDA)の設計を真似したところで良いクルマを作れる確信はなかったのかもしれない。あるいはプライドが許さなかった可能性も。当時はホンダやMAZDAは頭がオカシイくらいに研ぎ澄まされた設計のクルマが多かった。まだまだどちらも「マス」を追わない弱小メーカーでハングリーな要素が十分にあったのと、大手の日産がかなり本気だったので「過当競争」を余儀なくされた部分もあるだろう。
奇妙な一致
MAZDAにとっては、欧州の名門ブランドを寄せ付けなかったロードスターや、フラットなサスペンションを引き継いで世界的に大ヒットしたGGアテンザのような「世界の頂点」の意味を、CX-60にも込めているのだろう。MAZDAがロードスターの技術をたくさん使ったと言うように、「サスペンション」「駆動方式」「KPC」だけでなく、FR車ながらどちらもキャスター角がほとんど取られていないジオメトリーも同じ。これは偶然の一致なのか!?自然な反力でステアリングがスルスルと元に戻る設計がCX-60にも与えられているようだ。