カーメディアに囚われない市場
「広告料」で成り立っているカーメディアの構造を考えれば仕方のないことかもしれない。ユーザーは誰でも「結果」を見ることができるのだから、カーメディアのレビューとは別個に参照すればいいだけだ。実際にロードスター&MAZDA2を除くMAZDAラインナップと同等の評価を得ているトヨタ車はカムリのみ、レクサスはESのみ、これではカーメディアも沈黙せざるを得ない。
高齢者ユーザーが大多数の日本ならカーメディアの力で十分に封殺できるだろうが、北米市場ではメーカーの浮沈に大きな変化が生まれている。この10年で躍進を遂げたメーカーはスバルとテスラが挙げられる。MAZDAとは違いどちらも北米生産が軸足のメーカーであり、IIHSではMAZDAに匹敵する実績で、北米BIG3、日本BIG3、ヒュンダイ&キア、VWグループ、メルセデス、BMWなどをIIHSのスコアで上回っている。
安全なクルマだけが売れる
一時は北米からの撤退も囁かれていたボルボ、そしてMAZDA、アルファロメオといった中堅以下のブランドも2000年からの業界再編の波を切り抜け北米市場で生き延び、徐々にシェアを伸ばしている。大手7グループとドイツ3グループ以外の中小ブランドの中で、しっかり北米市場で存在感が示せるブランドはいずれも「衝突安全」にかなり力を入れている。
2010年代のスバル、2020年以降のMAZDA、そしてテスラの漸進的成長は、EVシフト、デザインなど様々な要因が語られるけども、客観的事実としてこの3社が既存メーカーよりもIIHSで高い評価を得ている。今後増えることが予想される中国メーカー車と決定的に差別化できる点が「衝突安全」である。メーカーもユーザーも意見が一致している。