ガソリンエンジンの臨界点
ドイツブランドだと、高出力寄りの高価格なモデルと、経済性を狙った低価格なモデルがあるけども、その両方を兼ね備えたバランスの良いユニットは見当たらない。もしメルセデスやBMWに、CX-60の直6ディーゼルやWRXの直4ターボ&CVTが使われていたら、テスラに流れるユーザーはいくらか少なかったかもしれない。
語弊があるかもしれないが、スバルやMAZDAのクルマ作りは「脱スポーツ」の方向だ。「スペック過当競争」というバブルの苦い記憶の反省もあるのだろうけど、やはりガソリンエンジンでレスポンスを高めるクルマ作りを続けても、電動車(EV)制御のポテンシャルの前では勝ち目はない。400ps級ボクサーターボや直6ガソリンをいくらハイスペックに仕上げても「徒労」に終わる。
マニア向けの限界
最高出力ではハイエンドなドイツブランド車には敵わないし、EVユーザーからも「ガソリンエンジンはスポーティではない」と貶される。100万円以下の軽自動車や、200万円以下の普通乗用車を作るにはガソリンエンジンのコスト面での優位は活かせるが、それは現状のMAZDAやスバルが目指す方向ではないようだ。
EVオンリーで突き進むだけのテスラと違って、MAZDAとスバルは非常に難しい舵取りを強いられている。世界中のドライビングを心から愛するユーザーの支持で、今後もビジネスの継続は容易だろう。しかし冒頭にも書いたように、「見栄」がクルマ所有の最有力な理由になってしまう「不毛なSNS社会」との相性はテスラのキラキラの「ブランディング」ほどには良くない・・・さてさて。