FRは無理ゲー
インフィニティやレクサスなど北米向けのプレミアムブランドにとっては、「テスラに負けない衝突安全性」を実現することが求められる。しかし既存のFRシャシーモデルはNCAPが苦手なようだ。北米IIHSで無双しているのはテスラ、MAZDA、ボルボでピュアEVか横置きシャシーのブランドである。
衝突安全に弱く、機械損失が多く、キャビンスペースが取れず、排気量の大きなエンジンには燃費と自動車税のダブルパンチ。これだけの困難が積み重なっているけど、「FRサルーン」への憧れを口にする人は少なくない。クラウンもスカイラインもFRサルーンとして残り続けることを期待する声は大きい。
なぜ人気が無くなった!?
FRサルーンと一口に言っても、BMW3シリーズとクライスラー300では全く別のクルマだ。スポーツカーに近いFRサルーンなら前者、ラグジュアリーなFRサルーンなら後者で、それぞれに10年くらい前までは非常に人気があった。スカイラインやマークXは前者、フーガやクラウンは後者で、ユーザーを見事に分けた「二律背反」こそがFRサルーンの妙味だった。
どうしてなのかわからないけど、今では「もっさり」動くレクサスISと、「軽薄さ」を感じるレクサスLSがラインナップされている。これでは多くのユーザーが離れていくのは当然のことのように思える。この2台のサルーンにどんなエクスペリエンスを求めればいいのか!?同じことが1700kg近くまで重量が増えたBMW3シリーズやアウディA4にも言える。そしてFFのアコードやMAZDA6も、世界を席巻した往年の姿とは程遠い設計になった。