日本価格の方が安い!?
「クラウンの名前は絶対に残す」という固い決意をトヨタの社長が某ジャーナリストに自信満々に語ったそうだ。長期政権のカリスマ社長は「これまでのトヨタは間違っていた」と堂々と口にし、理想の自動車メーカーになるべくさまざまな改革を行ってきた。その1つのプロジェクトとして、クラウンの名前の付いた日本生産車を「世界の定番」に新たに位置づけるらしい。
第一弾のクラウンクロスオーバーは、日本価格が435万円から、北米価格は39,950ドルからとなっていて日米同時発売となった。スモールSUV(RAV4、CX-5、エクストレイル)が27,000ドル前後、ミドルSUV(ハイランダー、CX-9、パスフェンダー)が37,000ドル前後、ラージSUV(セコイア、アルマダ)が47,000ドル前後なので、「メインストリームブランド」の中で、日米両方で売っている横置きエンジンのクルマでは、一番高価な設定のクルマになるようだ。
突然変異
クラウンクロスオーバーの無国籍デザインは、どこからやってきたのだろう。数年後のトヨタ本で明かされるとは思うが、もしかしたら「bz4X」のデザイン案のボツになったものかもしれない。北米「トヨタ」ブランドの新しいフラッグシップとして、アメリカで走っても周囲に埋没しないインパクトを最優先に求たというならば、かなり狙い通りの仕上がりだと思う。
日本市場では、軽自動車、コンパクトカー、ミニバンばかりが販売上位を占めているので、車格だけで簡単に目立つことはできる。しかしアメリカ市場では、シビックやMAZDA3などが免許取ったばかりの16歳が最初に買う「ボトム」なクルマになるので、アメリカに滞在したことがある日本人は帰国するとCセグには興味が持てなくなるものらしい。