北米市場の変化
現行のランクルではV8が廃止されV6ターボに変更となった。同じラダーフレームを使い、テキサス州の工場で作る「タンドラ」「セコイア」も同時にV6ターボに変わった。レクサスLCやRC-Fのようなマッスルカー市場では、もうしばらく自然吸気V8が使われ続けそうだが、技術的刷新が先延ばしになっている乗用車部門においても北米市場向けの新しいアイコンが必要だったのかもしれない。
「クラウン」の北米上陸はトヨタの意地を感じる。「アメリカン・ビューティーの屈辱」(トヨタをネタにアカデミー賞脚本賞まで獲った)を跳ね返すべく、アコードをベンチマークして徹底的に鍛え上げられた「カムリ」のKプラットフォームを使って作られている。カムリと同じシャシーの拡大版であるアバロンの「クロスオーバー・クーペ」といったポジションである。
アンチ・トヨタ法案可決
カリフォルニア州では、2040年から2035年に前倒ししてEVとPHEV以外の販売を禁止する法案が可決された。トヨタバッシングの発火点もカリフォルニア州であり、トヨタの北米本社がカリフォルニアからテキサスに移転して以降さらに「アンチ・トヨタ法案」は加速気味だ。共和党への政治献金が暴露されたりと、アメリカを二分する分断された世論の渦中で、トヨタの存在が両陣営のポジショントークに使われてしまっている。
1957年に1度だけ実験的にクラウンが北米に投入されている(大失敗)。65年ぶりのクラウン上陸は「因縁」の大陸ということで仰々しいまでにトヨタの技術を総動員するらしい。噂に過ぎないけども、4つのボデータイプは、それぞれHEV(クロスオーバー)、FCV(セダン)、BEV(ハッチバック)、PHEV(エステート)になるとの見方もある。セダンはミライのシャシーを使ったFRとなると、某カーメディア(テレビ)で断言されていた。