テスラ VS クラウン
クロスオーバーが使うカムリベースのHEVだけが、2035年以降の規制対象になってしまう。しかしながら他の3タイプ(FCV、EV、PHEV)は現状ではインフラの課題が解決されておらず購入のハードルはかなり高い。段階的な問題としてクロスオーバーのHEVが第一弾になったようだ。HEVとPHEVはどちらもKプラットフォームで採用済みなのでクロスオーバーとエステートは両方のユニットが搭載可能で、2035年問題も対策済みのようだ。
4万ドル前後という価格帯から考えても、ほぼほぼアメリカ市場がターゲットのクルマと考えて間違いない。4車種というボリュームを考えると、トヨタという巨大グループが、北米「トヨタ」ブランドの中に、EV専業ではないが「トヨタ版テスラ」のようなサブブランドを作った構図になっている。しかしこれはトヨタ得意の「真似」ではない。テスラに技術供与をしたのは他でもなくトヨタグループである。
「東西」代理戦争
テスラこそが、プリウスが初代から目指してきた新しいクルマの形(シフトレバーレス、センターメーター、センターコンソールやシート&フロアの形状)の進化の延長で設計されている。初代プリウスに最もポジティブな反応を示したのもカルフォルニア州だった。陰謀めいた話だが、カリフォルニアでテスラが誕生する前夜にトヨタバッシングが巻き起こり、トヨタはカリフォルニア(リベラル)からテキサス(保守)へ追放された。
その意味では新型クラウンシリーズは、「トヨタ版テスラ」であると同時に、「テキサス版テスラ」でもある。日本人がメディアや文献を通じて知り得るアメリカなんてたかが知れているし、カリフォルニアとテキサスのアイデンティティなんて東京と大阪ほども変わらないかも知れない。また世代によっても受け取り方はさまざまだろうし、そもそもアメリカ人はトヨタがどこの国のメーカーか?日本がどこにあるのか?を知らないとか・・・。