軽自動車は絶好調
三菱自動車でも、日産から「サクラ」として販売されている「ekクロスEV」の他に、三菱&日産ディーラーのボトムを担う軽自動車シリーズ「ekクロス」「ekワゴン」「ekクロス・スペース」といったコンパクトピープルムーバーはコンスタントに売れる。さらに個性を追加して新たに登場する「デリカ・ミニ」は、「コンパクトピープルムーバーSUV」という3つのボディタイプの特徴を持つトリプル・クロスオーバーとなるらしい。
圧倒的に注目度が高い水島工場(倉敷)生産の軽自動車に対して、岡崎工場生産の普通車は地味な立場に追い込まれている。フラッグシップのアウトランダーPHEVとデリカD5はクルマ好きなカルト的ファミリーユーザーから熱い支持を受けてはいるが、どちらもベースグレードで乗り出しが500万円以上まで上昇していて、それほど多くのユーザーを集めることは難しい。どちらもレクサスを超えた真の日本製プレミアムカーであることをユーザーはわかって買っている。
個性あふれる中間モデル
レクサス級の高級車と、軽自動車を「セット販売」するコンセプトは、メルセデスとスマート、BMWとMINIみたいな戦略を意図しているのだろうか。岡山生産の軽EVがヒットしたので、タイからの逆輸入状態だったミラージュを廃止し、中間グレードには、RVRとエクリプスクロスが残されている。この2台のSUVはスバルにおけるクロストレックとフォレスター、MAZDAにおけるCX-30とCX-5の関係に近い。
CセグSUVではかなりお買い得感がある200万円台前半のRVRに対して、CDセグSUVのエクリプスクロスは、今回の2022年11月マイナーチェンジで「高級車」方向へと趣向を変えてきた。300万円を下回る客寄せのボトムグレード(M)を除けば、基本装備はプレミアムなアウトランダーとほぼ同じである。RVRとの価格差はガソリンターボで100万円、PHEVで200万円ほどあるが、動力性能に加えてクルマでの快適な移動時間を重要視するならば、まず迷うことはなさそうだ。