SUVの価格
クルマに詳しくない人がPHEVの価格だけを見て「高い」と却下してしまう危うさはあるが、PHEVは世界中見渡しても同等の性能のものは三菱にしかないくらいの特別なクルマだ(ドイツが羨む高級車)。なんでこんなユニットが開発されたかというと英国など高所得の国でPHEVのパイオニアとして10年もの歴史を刻んだから。一方で常用トルクに優れる1.5Lターボは、健全なカーライフを考えると非常にバランスが取れている。ホンダZR-Vが強烈なライバルになりそうだけど、MCで装備が一気に拡充されたエクリプスクロス(G・304万円)と同等以上の装備を持つZR-Vの「Z」は354万円(本革シート標準)もする。
トヨタや日産もSUV価格はそれなりに上昇しているので、ロードスターやフランス車が売れるの当然なのかもしれない。本体価格で300万円を下回ると、たとえばCX-5でもパドルレスになったり快適装備がオプションでも付けられなかったりと相当な制約を受ける。200万円くらいから価格設定があり、かなりお買い得に思えるカローラクロスは、装備が大きく割り切られていて、他社の上級SUVとまともに比べるのも可笑しいくらいだ。
クルマ選びの基本
ちなみにトヨタはRAV4やハリアーにもパドルがない(社外改造がしばしば紹介されている)。以前に埼玉の峠で愛知県ナンバーのRAV4の車列がブレーキライトをピカピカさせながら走っていたことがあった。トヨタの開発協力会社のテストなのかもしれないが、山岳地域を擁する中部地方のメーカーとは思えない設計である。SUVに乗って2年ほどが経過するが、ロードカーと違って急峻な道路ではエンブレの重要性が極めて高い。下りでは制動距離がかなり伸びる。パドルがないと怖くて乗れない。トヨタのSUVには坂道では近づかない方がいい。各地でガードレール突き破ってますから・・・。
楽しいカーライフを夢見て、初めての愛車を買う人の気持ちになってみると、やはり現状ではSUVの選択肢が魅力的に映る。SUV、ロードカー(セダン、ワゴン、ハッチバック)、ピュアスポーツ、コンパクト(ABセグ)、ピープルムーバー(ミニバン、トールワゴン)、の5大ジャンルが形成されているが、ドライブを楽しむならSUV、ロードカー、ピュアスポーツの3つだろうか。SUVは却下という人も多いかもしれないが。