プレミアムではない理由
もしスバルがレクサスのような世界観を求めてしまったら、使って初めてわかるスバルの良さだったり、北米の「中島飛行機ファン」を熱狂させるような乗用車離れした手応えある走りは、他の部分にコストを取られて守っていけないと思う。現状のレクサスには「ピュア」に相当するモデルもなければ「トレック」に相当するモデルもない。それがプレミアムブランドってものだろう。
アメリカ人の価値観を代弁するような立場にはないけども、アメリカのブランドランキングは、MAZDA、BMW、スバル、ポルシェの4強である。レクサス、メルセデス、アウディは「(家の前に)クルマ(を置いておくの)が好きな人」からは一定の支持は得られているようだけど、4強はいずれも「クルマ(を走らせるの)が好きな人」のためのブランドだ。
日本では理解されるのか!?
日本とアメリカでは人気のブランドがだいぶ異なる。クルマ文化の違いと言って差し支えないだろう。日本で人気のレクサスやメルセデスを選んでいる人は周囲から「お金持ち」もしくは「クルマを飾るのが好きな人」だと少なからず思われている。失礼な話ではあるが、AJAJの島下泰久さんみたいな風貌で金額でクルマの価値を決めたがる人がイメージに浮かぶ。そのような人にとってレクサスやメルセデス以外の乗用車ブランドは購入対象にすら入らないのだろうが・・・。
価値観の分断が起きることは仕方のないことであり、今さらに否定も肯定もしようがない。多様化する価値観はクルマに反映される。人生のある種のステージにいる人だけに強烈に刺さるクルマというのはとても面白いと思う。この「クロストレック」も、ロードバイクや山歩きの趣味がない人にしてみれば、なんとも味気ないネーミングと感じるのかもしれない。多様なクルマを感じられるようになるためにも人生は色々と経験しておくべきなんだな・・・。