あまり売る気がない!?
北米では2.5Lユニットの186psでスポーティに躍動するクロストレックだけど、日本仕様は2.0Lのマイルドハイブリッドのみの設定となった。取り回しの良いボデーサイズということもあり、ターゲットの年齢層はやや高めを見込んでいるようだ。20〜40歳代の現役バリバリには上位モデルを買って欲しいから、高性能ユニットなども設定されない。カローラが大所帯のラインナップで全年齢層を狙っているのに対して、インプレッサもクロストレックも控えめな展開をしている。
Cセグより上位モデルを売りたいスバル、上位モデルなんて気にせずCセグを売りたいトヨタ、Cセグが日本の実質的なフラッグシップになりつつあるホンダ。カローラは作りが雑すぎる!?シビック&ZR-Vは凝り過ぎ!?MAZDAはCセグに謎のエンジン搭載なので、スバルが程よい選択な気もする。
絶妙な匙加減
クロストレックは、価格設定がフォレスターとそれほど変わらないが、フォレスターもやはり高性能エンジンの搭載はしていない。3つのフラッグシップのロードカーをそれぞれに台数を確保したいという意思を感じる。北米向けの2.5L車を日本に導入したいのは山々だけど、スバルの場合500台限定というだけでも、上級モデルへ顕著なダメージが出てしまうのかもしれない。そんな話題作りはいらないくらいのアメリカで大成功の健全経営でもあるけど。
「ロードカー」のインプレッサと「SUV」のフォレスターの中間(クロスオーバー)であるクロストレックは、2台3台持つ人もザラにいるというスバリストのラインナップにも影響を与えそうだ。フォレスターとインプレッサSTIスポーツの「幸せな2台持ち」の組み合わせに割って入ってくる。乗ってみないとわからないけど、クロストレックにフォレスター並みに長距離適性が備わっているならば、他社と車格を揃えた個性の薄いフォレスターよりもスバル車らしいかもしれない。