クロストレック と フォレスター
「フォレスターと価格があまり変わらないなら大きい方」という声もある。グローバル(ほぼ北米)でのスバルの最量販モデルのフォレスターは、開発費の償却も早くスケールメリットを活かしたコスパが光る。スバルの中でもお買い得というだけでなく、全グレードが泥濘脱出などのドライブモードを装備したフルタイムAWDであることを考えたら、同等以上の販売実績のRAV4やCX-5よりも価格設定が優れている。
クロストレックもフォレスターと同じシャシーを使っていて、2.0Lのeボクサーユニットも同じである。スカイラインとフェアレディZみたいな関係であるけど、座席とドアが多いスカイラインよりも高価な設定のフェアレディZに文句をいうみたいなものかもしれない。MAZDAのようにCX-5、CX-30、CX-3で全く別のシャシーを使っていて価格が接近しているのは恣意的だと感じるが、クロストレックは「フォレスター・クーペ」みたいなものだ。
「車格」は価値のわからない人の指標
日本のクルマ文化の伝統かもしれないけど、「車格」ってのはなかなかどうして気になってしまう。公道を走れる速いクルマはもっとたくさんあるのに、成功者たちはフェラーリやランボルギーニを求める。そして乗用車だとSクラス、ベントレー・コンチネンタルGT、アルファードに吸い寄せられる。フェラーリを「博物館専用」とか馬鹿にしていた人々が開発した911やNSXやR35GTRも結局はハリボテ感のあるボデーサイズにこだわってしまっている。中身はともあれ設計思想はアルファードと共通するものがある。
行政主体でEVシフトを推進するよりも、「ハリボテはダサい」という風潮が一度起これば、極悪燃費車に5年分のバックオーダーなんていう悲惨な現状を少しは変えることができそうだが・・・。新型プリウスも燃費性能を切り落として、スポーツカー擬装で「ハリボテ」感をアップすることに経営資源を使い始めた。MAZDAの「車格&ハリボテ主義」もどうにかならないかな・・・。