日本再生のシナリオ
80年前のように日本は再び叩き落とされればいい・・・と戦後生まれが無責任に呟く。戦争さえなければそんなに最悪でもないだろう。GDPが減った分だけ無駄な消費をしなければ良いだけである。高価なグランドツアラーなんて要らない。箱根の大観山や静岡の薩埵峠も今では定点カメラで24時間映像が見られる。ゲームをクリアしたり、サブスクでアニメを見たりするのに忙しいから、ドライブなんてしている暇がない。
スウェーデンやイギリスもかつては日本の自動車メーカーの躍進で自動車産業の主役から押し出されてしまった。ボルボもフォードグループに入り、日本メーカーが設計したシャシーを使ってクルマを作ってきた。どんな国・地域も不遇な時代は必ずある。それが資本が地球を覆ったグローバリズムの宿命なのだろう。常に勝ち続けていないと気が済まないプライドだけが高い日本も、そろそろ運命を理解すべき時だろう。
かつての日本車のように・・・
太平洋戦争でB29を迎撃できる高高度戦闘機の開発に若くして取り組んだ長谷川龍雄さん(終戦時に29歳)が、トヨタに流れ着きカローラを開発した。他のメーカーにも似たような例がたくさんあるが、日本の造船、鉄鋼、化学、自動車産業における往年の大成功は、「過酷な環境」が日本人の能力を存分に引き出したと思う。もしトヨタ、日産、ホンダが連鎖倒産するような先が見えない状況になれば、再び日本社会は覚醒の時を迎えるかもしれない・・・。
ボルボC40に対して日本のカーメディアから絶賛の嵐である。MAZDA、テスラと並ぶ北米IIHSで「受動安全性」においてブランド全体で最高評価を得ているボルボだけあって、練りに練った「作り込み」具合に度肝を抜かれる。日本も一端を担うアジア市場では「プレミアムブランド」の人気が凄まじい。資本の集積が著しいアジアの諸都市では「高級住宅街」が自然と形成され、トリクルダウンによってさまざまなサービス業が発達する。