価格を見て卒倒か・・・
前輪駆動(FF)の安い方のグレードでも660万円もする。価格を見ただけで「興味なし」と却下されても仕方がない。補助金でとりあえず60〜120万円ほどは安くなるので、コンパクトSUVタイプのドイツブランド車(エンジン車)と同じくらいの価格には収まる設定である。成長著しいアジア地域ではメルセデスGLBやBMW・X1は非常に良く売れているそうだけど、日本市場ではかなり地味な存在だ。
そこに照準を合わせたボルボC40だから、新興国市場では前向きに受け入れてもらえそうだが、日本市場では理解されるまで時間がかかると思う。我慢して売り続ければ、ある時点を境に売れ始める可能性は高い。日本でも新卒初任給1000万円の会社が増えれば、まあ売れるとは思う。日本では「夢みたいな話」だけども、日本メーカーが破壊してきたアメリカ、スイス、ノルウェー、スウェーデン、オーストラリアなどでは「普通の話」だ。
日本の前途は課題が多い
年功序列を続けてきた会社が、ある年から突然に「新卒1000万円」に変わるなんてことはまずない。世界恐慌みたいな事態に直面して、会社が債務整理にまで追い込まれて再建された後ならばあり得るけど。そのためにはとりあえずトヨタ、日産、ホンダなどが破綻しなければいけない。債務整理後の新生トヨタがV時回復して「新卒1000万円」に舵を切ったならば、スバル、MAZDA、三菱など中堅メーカーも同じ水準まで上がる。GMが破綻してもアメリカの自動車産業は無事であるから、おそらくトヨタが破綻しても問題ない。
いくら企業が変わろうとしても、低賃金(日本の水準では高い方だけど)の無期雇用フルタイム公務員の割合が多い。彼らにしっかりと「賄賂」が回らないと、あれこれ邪魔してくる。バブルの頃のように官民が「接待の絆」でつながっていればいいけども、公務員に対する規制が厳しくなった今では不可能な話だ。豊田章男社長と小池百合子都知事のように間接的にお互いに罵り合っているトップの関係を見ても、かつてのような官民一体の体制ではない。スウェーデンとは大違いだ。