危機をチャンスに変えた！！
某日本メーカーが直列６気筒を縦置きする新型SUVを発売した2022年だけど、逃げ出すことなくレクサスRXもフルモデルチェンジを決行した。既存プラットフォームを継続使用するコスト軽減のメリットを活かし、パワーユニットや内外装の徹底した差別化を図っている。トヨタの他のSUVと同じプラットフォームとはいえ、パワーユニットは、国内向けのCVTパッケージのハリアー、RAV４とも、北米向けトルコンATパッケージを採用したレクサスNXとも違う、グローバル最上級パッケージが採用された。
あまりトヨタやレクサスのクルマで感心することは少ないけども、このレクサスRXは相当なプレッシャーを跳ね除けて開発者やデザイナーの勇敢な仕事ぶりが伺える。「高級車としての質感」と「スポーティな走り」・・・文字にする分には簡単だけども、1000万円以上するドイツのプレミアムSUVでさえ、開発期間が十分に取れず多くの仕事を外注する時代だから、「これで高級車か？」とツッコミを入れたくなる綻びはいくらでもある。
二兎追う
先代までのレクサスRXも、輸入ブランドが様々な問題を抱えて不調だったこともあって油断があったようで、どこか緩い作り込みであり、まさかの某メインストリームブランドの同タイプのSUVに静粛性で追い越されるなんて失態もあった。なんでハイブリッドなのにエンジン車よりも遮音が徹底できないの！？いやエンジン音をわざと聴かせてスポーティな仕上げにしているんです。・・・全然スポーティでもないし、速くもないですけど。
気まずい空気はレクサス内部にも相当にあったのだろう。どうすれば「上質さ」と「スポーティさ」を同時に手に入れることができるのか！？メルセデスやBMWも高級SUVの売上では大苦戦している。今更の縦置きプラットフォーム導入では、燃費や居住性が犠牲になってしまう。クラウンもグローバル化に合わせて横置きに変えたわけだし・・・。