先代プリウスのデザイン
年明け早々に5代目プリウスが発売された。先代(4代目)プリウスは某有名イタリアン・スポーツカーをデフォルメした「トミカ」みたいなデザインだったが、これはこれで個性の光る良いデザインだと思った。実際のところトヨタ車ではなく「これモデナにある有名ブランドの新型車ですよ」と言われれば、そんなに驚きはない。輸入車だと思えばありがたみが湧くデザインだった。
実際にイタリアやフランスのタクシー業界では3&4代目プリウスは大成功している。都市部や観光地で混雑の中をノロノロ走ることを強いられる商用車にTHSは合っている。10年くらい前のカーメディアは、アウトバーンでの高速巡航が主体の欧州市場は「ハイブリッド車のディストピア」みたいなアンチ・レビューを繰り返していた。それは一面において正しいのだろうけど、現実には欧州の商用車市場で、プリウスなどのTHS搭載車が地元メーカーのシェアを奪っている。
THSの利用法
日本中を走っている商売用のエブリィやアトレーのシェアが、ヒュンダイやBYDにごっそり奪われそうになったら、国土交通省も即座に何らかの規制をするし、実際には日本メーカーがあらゆる手段を使ってシェアを守ってくるので、官民合わせて日本市場の水際対策は「世界最強」と言っていい。そんなことを知ってか知らずか、同じような保護政策をEUが「EVシフト」という形で打ち出してくると、日本のメディアは「アンファア」だと騒ぎ出す。
プリウスやリーフに侵略を許したタクシー市場を奪還するという意味で、欧州の「EVシフト」は実効性の高い政策だと思われる。欧州メーカーが次々投入しているBEVは、リーフと同じ立ち位置になるわけだけど、実際には地元の政府からの「(欧州メーカー車)奨励金」などの制度で優位に立てる。近隣地域から離れることはない商用車ならば、保管場所に充電設備さえ設置してしまえばBEVのデメリットもほとんど無い。