セダンが特別な時代
日本市場のセダンはいよいよ終焉の時を迎えたように語られるが、少数精鋭となって、ドイツ車、イタリア車、イギリス車と同等に選ばれるモデルだけが生き残るのは「市場原理」というものだろう。今後も残り続けるかは不透明だけど、とりあえずこの5台は特別な地位を手に入れつつある。レクサス、日産、ホンダ、MAZDA、スバルはそれぞれ「V6&V8自然吸気」「V6ターボ」「高性能ハイブリッド」「ディーゼル」「フラット4ターボ」を武器にユーザーを獲得している。
ミニバンやコンパクトカーと共通のシャシー&ユニットを流用した「形だけのセダン」では、とてもじゃないけどお金なんて払えない。CVTを使って成立するのはアコードやWRX・S4のようなハイエンドモデルだけだ。各ブランドに複数のセダンが用意されるのではなく、1つのスペシャルモデルに集約されたことで、日本車(アコードは海外製)の価値が分かりやすく伝わるようになった。
量販車セダンは終了!?
ミニバンやコンパクトカーの設計でセダンを作れば、当然に台数が求められる。カムリ、プレミオ、ティアナ、シルフィは国内市場で頑張っても月1000台がやっとだった。ロードノイズ、CVTの唸り、鈍い加速、低音質なエンジンなど、低価格で売るしか戦略が立てられないクルマなのに、車格だけで価格を上げてしまっては市場の反応はどんどんなくなる。
長時間の100km/L巡航でミッションオイル熱ダレのリスクがあるCVTを、グランドツーリング性能で選ばれるはずのセダンに搭載してしまったセンスの無さを見抜いている「わかってるユーザー」がセダンを好む傾向にあるのだから、ドイツ車が売れるのもよくわかるし、トルコンATにこだわるMAZDAの3ナンバー車販売率が非常に高く、長距離ユーザーが多いのも納得できる。