中国ショックだったから・・・
2000年代に入り、自動車メーカーの経営は中国市場の成長にどれだけシンクロできるかに変わった。日本市場向けに低コストなCVTが広がったのもこの頃からだった。それよりも一足早く、北米レクサスでISが発売され、日本市場ではアルテッツァとしてトヨタブランドから発売された。80年代、90年代のイケイケな日本メーカーが生んだ最終世代と言っていいクルマかもしれない。
2000年代になって外国人社長の日産やMAZDAは、GT-Rやアテンザを出したけども、日系独立メーカーだったトヨタやホンダは中国&ハイブリッドに邁進していた。中国市場に合ったコストで合弁現地生産するために、CVT&小型エンジンのモデルの開発に力を入れていた。ヴィッツやフィットの登場で日本でも「リッターカー」とかいう言葉が流行した。
万能なコンパクトカー
ヴィッツ(ヤリス)やフィットが20年の熟成を経て、驚異的なモード燃費、高速道路もこなせるし駐車場も選ばない機動力、セダンよりも利便性が高いハッチバックボデー、バランスよい価格を武器に、日本市場を席巻するようになった。軽自動車が4割を占める中では、Bセグは日本人の「中流」意識にもマッチするようになってきた。現行モデルはちょっとした高級感も漂う。
400万円以上するカムリやインサイトに使われる中型車用のハイブリッドでは、200万円ほどで買えるヤリスやフィットのモード燃費には到底及ばない。インテリアの質感には価格相応の差があるけども、セダンに求められる長距離適正はCVT車という意味で特段に高いわけではない。行動半径はカムリもヤリスもそれほど変わらない。400万円あれば、行動半径が大きく広げられるドイツブランドのセダンの程度の良い中古車がたくさん見つかる。