奇妙な一致
P10プリメーラ(初代インフィニティG)とV35スカイライン(三代目インフィニティG)は同じ人が開発の中心を担っている。R35GT-Rまで作ってしまったその有名なエンジニアは、著書で「世界最高のクルマ」について何度も言及している。元日産のこのエンジニアも、MAZDAを辞めた藤原さんもそうだけど、インタビューを受ければ、いくらでもドイツ車の弱点を挙げてくる。おそらく日産やMAZDAの開発陣営の内輪では「パクリのドイツ車」くらいに嘲け笑っているのかもしれない。
それでもスカイラインやMAZDA6を作っていれば十分に利益が上げられるという訳でもない。「いいクルマは儲からない」ってのが業界の常識らしい。2010年代に日本でも投げ売り状態だったメルセデスEクラスやBMW5シリーズは、トルコ、エジプト、インドネシア、マレーシアなどの工場でも組み立てがされていて、サプライヤーのクオリティも低かった。
輸入車のようにエレガントに
さすがにセダンが売れなくなった現行モデルでは生産国はかなり絞られたが、上三川(栃木)や防府(山口)で集中生産されるスカイラインやMAZDA6(中国向けMAZDA6は現地生産)とは、そもそも生産される環境が違う。上質なセダンに求められる圧倒的な静粛性を作り込むにはどっちが適しているかはアホでもわかる。Eクラスや5シリーズより日本メーカーのセダンの方がいちいちハイクオリティになってしまうのも仕方のないことだ。
新車価格が900万円のマセラティギブリの代わりに500万円のV37スカイライン、800万円のメルセデスEクラスの代わりに400万円のGJアテンザ(現行MAZDA6)これでも十分にドライビングカーとしてのクオリティは代替できていると思う。V6ガソリン同士、直4ディーゼルターボ同士でスペックではスカイラインやMAZDA6の方が優勢ですらある。