引っ込むか?進化か?
トヨタブランドはFRシャシーを段階的に封印してきた。レクサスも2025年にはエンジン車を店じまいすると予告している。日産もスカイラインと呼ばれているインフィニティQ50をどうするのか不透明だ。R35GT-Rがあったために、スカイラインはちょっと地味な存在のまま3世代を経てきた。2007年に777万円から始まったR35GT-Rは、現在では1000万円を軽く超えるようになり、スカイラインにちょっと価格帯の幅が出せるようになった。今が絶妙なラストチャンスな気もする。
ややハードルが高い価格設定もあるし、モデル末期になってやっと重い腰を上げた感じもあって、クルマ好きなネット民の反応はイマイチなようだ。しかしスカイラインNISMOが発表されてふと気が付いた。スカイラインが日本で発売され続ける限り、日本メーカーの高級モデルはどんどん売れなくなるだろう。20年前のシャシーだけど、これを明確に上回る優れた設計が出てこない構造的な問題は多くの人が見て見ぬふりをしている(軽量化というなら話は別だけど)。
セダンの運命は風前の灯火
柄にもなく帰省ラッシュ真っ只中の関越道を走ってみた。トヨタのミニバンも多いけど軽自動車のN-BOXやハスラーがやたらと目についた。家族で移動するにも十分な広さがある。どのクルマもクルコンで定速走行するのが普通になってきているから、衝突事故のリスクもかなり減っている。日本市場で販売されているクルマなんてどれも20年前のスカイラインを越えられないのだから、どれを選んでも同じだ。
日産がスカイラインを現行のままもう数年引っ張ったら、N-BOXやハスラーによる乗用車のコモディティ化はもっと進むのだろう。トヨタのクラウンやアルファードなどのKプラットフォーム車もKカーの相似形に過ぎない。VR30DDTTはあらゆるドイツの同クラスのエンジンを軽く凌駕した。こんなエンジンは日産しか作れないようだ。こんな凶暴なスカイラインが長年放置されてきたことで、日本の高級車市場はズタズタになった・・・この状況を変えるのは日産かMAZDAか。