レクサスNXの進化
トヨタ車をベースにしているけども、これがレクサスになると様々な不満が一気に解決する。RAV4やハリアーと同クラスのSUVであるレクサスNXではベースモデルのエンジンが2.5L自然吸気の北米仕様となっていて、ミッションも8ATが組み合わされる。パドルシフトもヘッドアップディスプレーも付いてくる。MAZDAの屋台骨であるCX-5と比べて、RAV4やハリアーは比較対象にもならないが、レクサスNXは上位互換と言っていい完成度だ。
ハリアーやRAV4より100〜200万円以上は高いレクサスNXだけど、これほど気の利いた装備が用意されているのだから、オーダーストップになるくらい売れても当然だろう。今年の夏もチラホラと観光地で見かけた。すでに相当な台数が出ているはずのRAV4やハリアーよりも見かけた回数は多かったくらいだ。RAV4やハリアーのCVTで遠くまで行こうとは思わないけど、NXのトルコンATならロングドライブしたくてウズウズするのかもしれない。
自然吸気は走りやすい
2014年に発売された初代レクサスNXでは、2Lターボと2.5LのTHSモデルの2ユニットしかなかったが、2代目となった現行モデルでは4種類のユニットが用意され、ベースモデルは2.5L自然吸気が搭載された。日本市場ではすでに先代アルファードにも使われていたユニットだけど、先代も現行もアルファードで組み合わされたのはCVTなので、8ATとの組み合わせは日本市場向けのトヨタ&レクサスでもこのNXだけだ。北米市場ではカムリやレクサスESの主力ユニットであるけど、日本市場向けではHEV版しか導入されていない。
2.5L自然吸気エンジンはトヨタのダイナミックフォースエンジンだと201ps、MAZDAのスカイアクティブGエンジンだと188psを発生する。ターボやディーゼルとは違い6000rpmオーバーまで使えるので、スポーツモードの設定があると、かなりわかりやすく性格が変わる。このエンジンの恩恵を感じるケースはしばしばある。地方では対面通行の高速道路が多い。片側1車線なのである程度の間隔で追い越しレーンがある。前が詰まって80km/h前後の走行を余儀なくされて焦らされるので、追い越しレーンに到達するとスポーツタイプのクルマが脱兎のごとく駆けていく。