クルマ好きにそっぽ向かれる
ハッピーな長距離ドライブを求めるユーザーに愛されてきたCX-5だけど、これを徹底的に研究して2代目レクサスNXに取り入れてきたようだ。初代のレクサスNXのベースグレードに設定されていた2Lターボは、ドライビングフィールは微妙であるし、高負荷領域ではやたらとタービンがうるさく振動も大きめで、それなのに中間加速が鈍い。同等の排気量&スペックをもつユニットは輸入車に多いけども、クルマ好きはとりあえず選ばないタイプのユニットだと思う。まあゴルフGTIやアウディTTのような比較的に軽量で小型なモデルなら合ってるけども。
BMW320iや、メルセデスE300など、今でも2Lガソリン直4ターボモデルが日本市場で販売されているが、すっかり市場から見透かされてしまっている。ドライビングフィールから新車価格に見合った価値を見出すのはちょっと難しい。200万円台の中古車で買うなら悪くない選択かも。いずれにせよレクサスは2Lターボの商品力の弱さを理解し、ラインナップから次々と廃止している。高級車のエンジンにふさわしくないフィール、ノイズ、燃費も悪い、中間加速も悪い。AJAJの女性評論家がスープラの2Lターボ(BMW製)を「中折れ」が残念過ぎると際どいコメントをしていた。
レクサスが向ける視線
MAZDA・CX-5のように作ればいい。ターボチャージャーなど付けなくても、北米向けの2.5LエンジンにトルコンATを組み合わせておけば、ドライブフィールにこだわるクルマ好きなユーザーが納得して買ってくれるのだから、願ったり叶ったりだ。近年は経営に迷いがみられ、エンジン開発にも後ろ向きで、販売も芳しくないドイツメーカーの真似をしてもあまり得られるものはないのかもしれない。レクサスのモデルを作る際でもお手本・参考にするのは、海外ブランドだけでなく、日本の他社メーカーに注目するようになったようだ。
レクサスが海外ブランドへの憧れを存分に発揮し、日本車では珍しいラグジュアリーな雰囲気のGT車に仕立てたのがレクサスLCだ。映画やドラマの主人公になれそうなデザインとスペックが素晴らしい。誰が見てもお金持ちのクルマだ。1500万円で「非日常」な新車で買えてしまう。やはりレクサスは素晴らしい。東京の郊外に住んでいるが、週末の夜に飲食店やコンビニの駐車場でしばしばアラフォーくらいの開業医か起業家風情なイケイケな男性が、小綺麗な女性をエスコートしているのを見かける。