10年後のスバル
工場は日本の群馬県にあるけど、スバル(富士重工)のビジネスにおける北米市場への偏重が止まらない。各モデルのFMCごとに日本市場からどんどん遠ざかっていく感じがする。2023年のインプレッサFMCでは1.6L版が廃止され、クロストレックと共通する2L自然吸気と2L ハイブリッドの2ユニット体制となった。2Lガソリンで229万円というベースグレードの価格設定は、まだまだ日本市場を見捨てない意思表示だろうけど、上位グレードのクルマを選ぶと価格上昇具合にビックリする。
他の現行モデルではクロストレックが266万円〜、フォレスターが306万円〜、BRZが330万円〜、レヴォーグが363万円〜、レイバックが399万円〜、アウトバックが425万円〜、WRX・S4が447万円〜といった設定になっている。インプレッサかクロストレックのどちらか1台あれば、高速道路も安心して走れるし、日本中を旅して回れるのだから、広くて大きなクルマを望まなければ、まだまだスバル・カーライフは健在ではあるけど、他のモデルは随分高くなった。
SUVブームは終わった
2018年登場の現行フォレスターは、SUVブーム全盛期の登場で、他社ライバルモデルと意識した価格に抑えられている。北米モデルはすでに次世代へのFMCが発表されていて、日本市場向けも新型ユニットを搭載して2025年に切り替わると予想される。スバルにとってはグローバルでの最量販モデルなので、ある程度は価格を抑えることはできるだろうけども、アメリカの歯止めが効かないインフレ率の煽りを受けて、日本価格も350万円〜くらいまで上昇しそうだ。
各メーカーがミドルSUVを200万円台後半からの価格設定で横並びした結果、RAV4、ハリアー、CX-5、エクストレイル、アウトランダーの販売が伸びたが、これらのモデルも段階的に値上げが進み、各社の現行モデルは充実装備のグレードで乗り出しが400万円を軽く超えてしまう。日本のSUV市場は1クラス小さいカローラクロス、クロストレック、ヴェゼルへと移行した。かなり出遅れてしまったホンダZR-Vはベース車のシビックよりも安い価格で日本に導入されたが、本体価格294万円という露骨な客寄せ価格を繰り出しても苦戦している。
MS
いつも楽しく、関心深く拝見しております。
現状のスバルへの御指摘、何故かカーメディアや周辺に取り巻く特定の人々は観て見ぬ振りという印象を受けています。
昨年のジャパン・モビリティショーで、マツダと出展ブースが隣り合っていたスバルでしたが「空飛ぶクルマ」のコンセプトモデルの際立ちぶりとは裏腹に、BEVスーパースポーツのコンセプトモデルと市販車を並べる旧態依然な光景が、行き詰まり感を露わにしていた感がありました。
水平対向エンジンの技術面での限界(電動化への対応以前に)などを、小手先の商品企画等々で数字を維持し切り回しているのが日本市場での実情で、やはり北米市場一本足でクロストレックとフォレスターを拡販しなければならない…しかし、直近の北米での販売実績が鈍化傾向(+0.3%)なのが、スバルの新たな懸念になりそうです。
wpmaster
コメントありがとうございます。
ちょっと突っ込んだ内容だったので、同じように感じている方がおられて嬉しいです。
もっと身近なスバルであり続けて欲しいですね。