日本市場は手詰まり
10年以上前に、日本の工場で生産して採算を取るには、本体価格は最低でも200万円が必要というメーカー側の本音が出ていた。軽自動車やBセグコンパクトカーを200万円に設定すると、Cセグ以上のモデルは300万円以上の価格にせざるを得ない。プリウスやカローラはハイブリッド搭載でも300万円を下回る本体価格だけど、これはレンタカーやリース向けのフリート販売で台数を極大化させ工場の稼働率を上げられるモデルのみの特別価格のようだ。
スバル車も各リース会社にラインナップはされているが、業界大手の損保リースで比べるとカローラツーリング月額28,270円〜、カローラクロス31,130円〜、プリウス33,220円〜、ヴォクシー30,900円〜、ハリアー31,120円〜なのに対して、インプレッサは32,230円〜と割高感がある。トヨタにはさらに低価格でリースできるモデルがヤリス、アクア、ヤリスクロスなど複数あることを考えると、リース市場においてはスバル車を3年だけ増車したいニッチな需要しかない。
贅沢品リースの時代
スバルにとってリースはメリットが無いというわけではない。レヴォーグ41,670円〜、レイバック42,670円〜、アウトバック48,710円〜は、本体価格を考えると手頃ではある。クルマの所有コストは、購入価格に加えて月額5万円(車検、自動車税、任意保険、駐車場、ガソリン)程度はかかる。損保リースだと月額リース価格に車検(自賠責)と自動車税が含まれているので、追加費用は任意保険、駐車場、ガソリンで月額3万円程度で済む。
3年リースならば新車保証が付いて、タイヤ交換費用など不定期な出費を回避できるので、クルマにかかる費用がわかりやすい。レヴォーグのリースは月額7万円で趣味の別宅を借りる感覚に近いかもしれない。インプレッサやクロストレックは「インフラ」な価格に留まっているけど、レヴォーグはアウトドアアクティビティを満喫する「贅沢品」になってしまった。もはや日本車ユーザーを「堅実な人」と評価する時代でもなくなりつつある。
MS
いつも楽しく、関心深く拝見しております。
現状のスバルへの御指摘、何故かカーメディアや周辺に取り巻く特定の人々は観て見ぬ振りという印象を受けています。
昨年のジャパン・モビリティショーで、マツダと出展ブースが隣り合っていたスバルでしたが「空飛ぶクルマ」のコンセプトモデルの際立ちぶりとは裏腹に、BEVスーパースポーツのコンセプトモデルと市販車を並べる旧態依然な光景が、行き詰まり感を露わにしていた感がありました。
水平対向エンジンの技術面での限界(電動化への対応以前に)などを、小手先の商品企画等々で数字を維持し切り回しているのが日本市場での実情で、やはり北米市場一本足でクロストレックとフォレスターを拡販しなければならない…しかし、直近の北米での販売実績が鈍化傾向(+0.3%)なのが、スバルの新たな懸念になりそうです。
wpmaster
コメントありがとうございます。
ちょっと突っ込んだ内容だったので、同じように感じている方がおられて嬉しいです。
もっと身近なスバルであり続けて欲しいですね。