無視される日本市場
テスラの上級モデル車では右ハンドル車の生産が終了された。これが日本メーカーに波及するかどうかはわからないけども、北米市場と日本市場で大きくラインナップや選択の幅が違う現状は、テスラと全く同じ事情によるものと考えられる。日本でいくら売れても何の意味もない。北米で売れさえすれば、グローバル企業として世界中の投資家の目にも留まる。
北米で好調なトヨタを真似して、スバルはトヨタのTHSの導入を決めた。主戦場の北米市場で不調が見えたら、すぐにテコ入れを行う。トヨタ、ホンダ、日産、MAZDAは北米市場においては「ザ・日本車メーカー」でしかないけども、スバルは「日本のポルシェ」という特別な存在だ。1993年にBMWの会長が「カローラを大きくしただけのクルマと、我々のクルマは全くの別物だ!!」と怒りのメッセージを飛ばしたが、今の北米カーメディアにも同じような日本車への偏見は残っている。
スバルの決断
水平対向エンジンにTHSを組み合わせて狙い通りのモード燃費が出なかったら、トヨタからダイナミックフォースエンジンまで供給を受けるのだろうか。オイル漏れなどメンテナンス性に問題を抱える水平対向エンジンを、3列シート車を含む大型SUV中心のラインナップに変わっている一般向け乗用車に使い続けるのは限界を迎えている。BRZのようなライトウエイトのスポーツモデルには適したエンジンだけども。
本家のポルシェは、アウディの設計を使って高級車を仕立てている。スポーティな従来のスバル車とは切り離してワゴンやSUVを作るならば、同じようにトヨタグループのレクサスの設計を使えば良さそうだけど、現状のレクサスは「カローラを大きくしただけ」の設計を使って堂々と世界中でクルマを売っている。孤立無援というわけではないけども、スバルの舵取りはただただ重苦しさに包まれている。
MS
いつも楽しく、関心深く拝見しております。
現状のスバルへの御指摘、何故かカーメディアや周辺に取り巻く特定の人々は観て見ぬ振りという印象を受けています。
昨年のジャパン・モビリティショーで、マツダと出展ブースが隣り合っていたスバルでしたが「空飛ぶクルマ」のコンセプトモデルの際立ちぶりとは裏腹に、BEVスーパースポーツのコンセプトモデルと市販車を並べる旧態依然な光景が、行き詰まり感を露わにしていた感がありました。
水平対向エンジンの技術面での限界(電動化への対応以前に)などを、小手先の商品企画等々で数字を維持し切り回しているのが日本市場での実情で、やはり北米市場一本足でクロストレックとフォレスターを拡販しなければならない…しかし、直近の北米での販売実績が鈍化傾向(+0.3%)なのが、スバルの新たな懸念になりそうです。
wpmaster
コメントありがとうございます。
ちょっと突っ込んだ内容だったので、同じように感じている方がおられて嬉しいです。
もっと身近なスバルであり続けて欲しいですね。