キナ臭いSUV市場
ホンダの狙い通りかもしれないが、S2000や、ZR-Vの投入は、クルマ好きをメインユーザーとするロードスターやCX-5の好調な販売を切り崩す意味では効果的だ。ロードスターやCX-5は、国内市場最強のトヨタを毛嫌いしがちなクルマ好きから指名買いされるだけの強力な個性を持っていた。そんなMAZDAの傑作シリーズを相手に、最も強力なブランド力が発揮できるのが、最強のエンジン屋・ホンダなのだろう。
2017年に登場したCX-5は、トヨタの想像を超える出来栄えで、先代ハリアーどころか先代のレクサスRXやNXに対しても、「静粛性」で優位に立つレベルだった。カーメディアによる必死のトヨタ擁護とMAZDAバッシングが巻き起こったけども、CX-5の勢いは収まらなかった。トヨタがなりふり構わずCX-5の個性をコピーして2020年に現行ハリアーが発表されると、警戒したMAZDA陣営は、そのわずか1週間後にMC発売まで数ヶ月前という段階でハリアーより僅かに安い価格で公表したことがあった。
トヨタ・MAZDA・ホンダのじゃんけん
古のファミリアの時代からトヨタ・キラーだったMAZDAだけれども、そのMAZDAを駆逐するホンダにとってはトヨタは天敵だ。歴代モデルのいくつかはトヨタ車との競争で苦杯を舐めてきた。純粋に性能で負けたならば納得できるだろうけども、本田宗一郎さん、藤沢武夫さんが現役の頃から、ホンダのヒット車に対して「不可解」なイチャモンが付けられ続けてきた歴史がある(本人たちが著書でそれぞれに訴えている)。
トヨタのクルマ作りを完全否定するつもりはないが、自分が使うクルマをトヨタで買う可能性は限りなくゼロに近い。日本で一番売れていて、車種も圧倒的に一番多いメーカーに全く興味が持てないのは、変な意地を張っているだけで本当のトヨタ車の良さがわかってないだけかもしれない。ユニクロの服も一切買わないのも変な意地のせいなのか?ユニクロの店舗で服を見てワクワクしたことが一度もないのは事実だ。