日産がラインナップ刷新を発表
日産が2026年度までに乗用車ラインナップの80%を刷新すると発表した。軽自動車を除く普通乗用車はノート、セレナ、リーフ、キックス、エルグランド、エクストレイル、アリア、スカイライン、フェアレディZ、GT-Rの10車種が該当する。この期間に投入される新型車は5車種と発表されていて、いよいよスカイライン、フェアレディZ、GT-Rの栃木エンジンモデルは終わりになる可能性が高い。
ダットサン・フェアレディとプリンス・スカイラインの2つのルーツが、1966年の合併後も、内部で激しい鍔迫り合いがあったと多くの本に書かれている。日本産業コンツェルン本流の日産に経営難のプリンス自動車が合流した。中島飛行機で「栄」「誉」といった世界最高レベルの航空エンジンを作ってきた中川良一さんが率いるプリンス自動車にとっては、資本の日産と技術のプリンスの対等合併という意識はかなり強かったようだ。
スカイラインのストーリー
戦後間も無い頃にすでにBEVを作っていた「たま自動車」と、中島飛行機をルーツに持つエンジンの「富士精密」をブリヂストン傘下で合併され、スカイラインやグロリアなど高級車志向のプリンス自動車が誕生した。もしブリヂストンがモータリゼーションの時代まで粘っていれば、東京都武蔵村山市のプリンス生産工場から、ポルシェやフェラーリのようなエゴの塊なスポーツカーが世界に輸出されていたかもしれない。
60年代から続く日産プリンスの禍根は、2000年代に入りカルロス=ゴーンによって村山工場が閉鎖され、栃木工場で同じプラットフォームを使ってV35型スカイラインとZ33型フェアレディZが作られ、共同作業(経営合理化)による大成功を納めた。沢村慎太朗さんは著書で、栃木工場への統合とZ33タイプ380RSによって「大団円を迎えた」と名残惜しそうに書いている。