技術と経営
NSX、RX7FD3S、ランサーエボリューション、インプレッサWRX、R35GT-R、レクサスLFAといった90年代以降に生まれた日本製スポーツカーは、欧州の名門ブランドが白旗を上げるようなパフォーマンスで世界を席巻してきた。しかしスポーツカー専門ブランドではなく、総合自動車メーカーばかりの日本勢は、さまざまな経営判断からモデルの廃止を余儀なくされてきた。
現行スカイラインの400RやNISMOは、日本メーカーが技術力で欧州メーカーを制圧していった時代の生き残りとして、他のクルマにはない価値が実存する。日産も他社との差別化を念頭に電動車主体のラインナップを強引に押し進めているが、栃木工場に残された、スカイライン、フェアレディZの処遇は非常に悩ましいものになっているだろう。スカイラインベースのSUV(インフィニティQX50、QX70)の生産が終了していて、北米向けにまとまった台数を生産することも無くなった。
変わりゆく生産拠点
北米や中国で販売されるインフィニティもSUVが販売の主体になっているが、QX50とQX55はVCターボ(可変圧縮比エンジン)の登場により、メキシコ、中国で生産されるFF横置きベースのモデルに変わった。アメリカの工場では縦置きの大型SUVのインフィニティQX60、QX80が生産されていて、こちらには3.5LのV6ターボで450psを発揮するエンジンが搭載されている。
北米向けのインフィニティQ60(スカイラインクーペ)は栃木工場でまだ生産されているが、これを日本市場向けに用意するというサプライズはあるかもしれない。VR30DDTTエンジンもまだまだスープアップの余地をたくさん残しているようで420psからさらなる高性能化もあり得る。