なぜMAZDAは大成功したのか?
2012年から「スカイアクティブシャシー」の投入で、走りの質的向上をアピールしたMAZDAが大成功を収めた。それを受けてトヨタやスバルも2017年頃からシャシーの規格を一新して動的質感の圧倒的向上を実現したが、狙ったようなシェア拡大には至っていないどころか、国内市場では減少傾向が続く。トヨタはダイハツOEMにシェアを喰われた。
なぜMAZDAだけ上手くいったのか?「デザイン」は個人の主観に過ぎないのでクルマの評価基準に挙げたくはないが、MAZDAの販売増には貢献していることは否めない。それでもやはり2.2Lディーゼルを搭載したCX-5とアテンザが、トヨタの中上級モデルを押し退けてシェアを獲得したことがMAZDAの成功を他社に求めさせる要因だったと思う。
ディーゼルエンジンの副産物
ディーゼルエンジンには長所と短所があるけども、大容量トルクを受け止めるためにCVTを採用せず、6速トルコンATで個性を放った。MAZDAのパワーユニットとミッションは結果的に、いつまでも飽きない「走り」が楽しいブランドとしての下地を作ってしまった。レクサスはトルコンAT、トヨタはCVTの作り分けを基本路線としているけども、MAZDAにとっては中上級モデルでシェアを伸ばす条件が整っていた。
企業の経営という観点では、トヨタやスバルは10年前から利益率に関しては総合自動車メーカーではトップレベルにあり、MAZDAは躍進によってこの2メーカーに近いレベルにまで上がったに過ぎない。危機感が強かったMAZDAは全力でスカイアクティブをやり遂げたけど、安定経営のトヨタやスバルは過度にリスクを負う必要もない中でのプラットフォーム変更だった。